『B魂』~第9回・山﨑福也~
オリックスの中嶋聡監督は、19日に本拠地・京セラD大阪で行われる西武戦の先発に山﨑福也投手を指名した。
今シーズンの山﨑福は、開幕一軍こそ外れたが、ここまで10試合に登板。全試合に先発して2勝4敗、防御率4.95という成績ながら、昨年よりもストレートが速くなり、生命線のカーブのキレも良化、投球回数は56.1回と、5回を持たずに降板となることが少なくなった。
しかし、8月6日のロッテ戦での白星を最後に敗戦が続き、5日の楽天戦(楽天生命)で敗れると二軍監督就任時から山﨑福を目をかけていた中嶋聡監督代行は、登録抹消を決断。二軍でリフレッシュに充てさせた。
山﨑福にとって、ローテーションを長期に渡って守るシーズンは初めてのこと。疲労が蓄積していても不思議ではなかった。本人も「特に投げ方とかは変えずに、少し体が動いてない部分があったので、それを改善しました。肩、肘は重さというか怠さは感じてました」と振り返る。状態を察知した中嶋監督代行は、迷わず登録を抹消し、体のケアを優先させた。
春季キャンプでは「あのポジションが出来るのは自分しかいない」と、ロングリリーフのポジションを狙っていたが、もともとは大の先発志向。回を食える山﨑福の存在はチームにとっても大きい。山﨑福にとっても、信頼している中嶋監督代行と中垣征一郎巡回パフォーマンスコーチ兼コーチングディレクターが傍にいることは精神的にも大きいはずだ。
自身2週間ぶりの登板に向けては、「前回は、同じバッターに2本(ホームランを)打たれているので、そこは反省しなければいけないですし、ボールはボール球でしっかり投げる。その出し入れをハッキリと。ハッキリ投げるというのを意識したい。緩急は強みになると思うので、そこは変えずに投げていきます」と課題を明確にする。
「(ブルペンでは)コースには行っていたし、球はそれなりに走っていたので、悪くない感じ」と手ごたえを口にしつつ、「注意するのは山川さん。一発があるので。前回も京セラで一発打たれてる。しっかりと低めに投げる意識を持って、投げます」と、19日の試合からスタメン復帰が濃厚な獅子の主砲を警戒する。
今シーズンは西武戦に2度登板し、いずれも勝ち負けはついていないが、相性は悪くない。8月21日の試合では7回1失点と好投したものの、この1失点が山川穂高のホームランだった。終盤に低めを意識できるかどうか――。リフレッシュ期間中の成果が試される。
取材・文=どら増田