リリーフ陣の活躍が目立つ
今季の推定年俸800万円だった桑原謙太朗(阪神)が最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得し、推定年俸900万円だった甲斐拓也(ソフトバンク)がベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなど、今季年俸1000万円未満の選手の活躍が目立った。
その中で最も目立った働きを見せたのが桑原だろう。昨季は一軍登板が1度もなかったが、今季は5月27日のDeNA戦から7月17日の広島戦にかけて19試合連続無失点を記録するなど大ブレイク。阪神の“勝利の方程式”の一員として、自己最多の67試合に登板して、4勝2敗43HP、防御率1.51と抜群の安定感を誇った。
CSではファーストステージ第1戦からファイナルステージの第2戦まで5試合連続登板を果たしたルーキーの高梨雄平(楽天)が推定年俸800万円、シーズン終盤に“7回の男”を務め25ホールドをマークした近藤大亮(オリックス)が推定年俸960万円、先発とリリーフの両方をこなした石川柊太(ソフトバンク)が推定年俸500万円だった。今季は年俸1000万円未満のリリーフ陣が、かなり奮闘した。
野手では松本剛、上林がレギュラー獲得
野手では、推定年俸650万円だった松本剛(日本ハム)、推定年俸800万円だった上林誠知(ソフトバンク)の2人が規定打席に到達した。
昨季12試合の出場にとどまった松本剛は、一気に飛躍を遂げる1年となった。4月下旬から『2番・右翼』で出場し始めると、セ・パ交流戦では17試合に出場して、打率は丸佳浩に次ぐ12球団2位となる.396をマーク。交流戦後も、7月20日の楽天戦でサヨナラタイムリーを放つなど、最後まで息切れすることなく戦い抜いた。出場試合数は前年を大きく上回る115試合に出場し、打率はリーグ10位の.274を記録した。
2年目以降は毎年のようにブレイクが期待されながらも、レギュラー獲得に至らなかった上林は、熾烈な外野手争いを制し、開幕から先発で起用された。今季は主に8番で出場し、打率.260、13本塁打、51打点の成績を残した。レギュラーシーズンではスタメン出場が多かった上林だが、クライマックスシリーズ、日本シリーズはベンチを温める機会が多かった。来季は本物のレギュラーとして大活躍したいところだ。
規定打席には到達しなかったがシーズン途中に育成選手から支配下登録となり、11本のアーチを描いたバティスタ(広島)は推定年俸520万円、シーズン終盤に本塁打を量産した横尾俊建(日本ハム)は推定年俸760万円だった。
ちなみに、今季の推定年俸750万円だった伊藤準規(中日)、推定年俸440万円だった三ツ間卓也(中日)などは既に契約更改を終え、大幅アップを勝ち取っている。その他の年俸1000万円未満だった選手が、今オフどのくらい年俸アップするのか注目だ。