ニュース 2017.07.06. 17:32

【夢を叶えた男たちの少年時代】平石洋介楽天イーグルス2軍監督(高校・プロ篇)

現在、東北楽天ゴールデンイーグルス二軍監督として、選手育成に全力を注ぐ平石。楽天は現在(7月5日)、一軍、二軍ともにリーグ首位を走っている。37歳。12球団最年少の2年目監督。選手を育て、適性を見極めて一軍に選手を送るその指導力、洞察力は、大阪時代から家族の支えの中で培われた人間性と、一流チームで学んだ野球スキルが土台となっていることは言うまでもない。学生時代はすべて主将を任され、チームを強くしてきた実績がある。いま「二軍監督」として感じていることはどんなことなのか?

「育ててもらう、ではない。自分で伸びていく世界」。プロの現実と厳しさを選手たちに教え続ける平石監督
「育ててもらう、ではない。自分で伸びていく世界」。プロの現実と厳しさを選手たちに教え続ける平石監督


「親心っていったら変ですけど、今、そんな感じがあります。ただ、正直に言いますと、プロの世界は選手を『育てる』とは少し違うと思っているんです。この世界(プロ)って伸びていく選手は勝手に伸びていく。僕もそうでしたが、いろんなことに早く気づけるかどうかなんです。いつケガをするかわからないし、クビもある。気付いた時は遅いってことが多いんです。せっかくこの世界に選手として入って来たんだから、選手ひとりひとりがいい方向にいくようなサポートしたいと思うんです」。

自身はプロ7年で、戦力外通告を受けた。当時31歳。まだまだやれると思っていたが、本人が言うように「気が付いた時には遅かった」。だからこそ、若い選手たちには「今」がある大切さに気づいてほしい。やる気スイッチを探しては、タイミングを見て押し続けている。

楽天選手時代、西武・松坂大輔(現ソフトバンク)から1本もヒットを打つことができなかったが永遠のライバルであることは変わりない
楽天選手時代、西武・松坂大輔(現ソフトバンク)から1本もヒットを打つことができなかったが永遠のライバルであることは変わりない


その例がある。入団3年目の外野手、福田将儀は、平石から“きっかけ”をもらった一人だ。福田は言う。

「今シーズン序盤、一軍入りのチャンスがなかなかなくて、気持ちが腐りかけていたことがあったんです。その時に監督室に呼ばれて『本気で腹を割って話そう。思っていること全部出せ』って言われて、約1時間半、1対1で本気でぶつかり合いました。その時に『自分のダメなところは自分で認めて行かないと成長はないぞ』、『気持ちにムラのある選手は一軍では使えない。ワガママを直せ』って本気で怒ってくれたんです。自分を変えるチャンスをくれたと思いました。関西弁で怒るとめっちゃ怖いんですけど(笑)、心から監督を胴上げしたい、自分もチームの勝利に貢献したいって思うようになりました」。

そしてキッパリと断言した。「平石監督は絶対に選手を見捨てない人です」。

自分のような思いで、選手生活を終えて欲しくない。そんな願いを込めて選手たちの奮起を促している。平石は「プロに入っても、多くの人が陽の目を見ぬまま終わる。でも一人一人の人生がそこにはある。一軍で結果が出せず、悔いは残るかもしれないけれど、僕らの助言で、悔いを減らすことはできるんじゃないかと思うんです。『プロ野球選手として、やり切った』と思ってもらえるように、選手たちをそういう方向に向けて行きたいです」と話した。

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