身体に必要な水分やミネラル分
まず、脱水とは単なる水不足ではなく、身体の体液(血液など)が不足することによってミネラル分も不足する状態であることを理解しておきましょう。
脱水症状が起こると、以下のように身体にさまざまな不具合が生じます。
(1)水分そのものが失われると身体全体を循環する血液量が減って、いわゆる「ドロドロ血」となり、必要な栄養素が末梢の細胞まで届かなくなったり、不要な老廃物や疲労物質などを代謝・分解する働きが低下したりします。
(2)脳への血流が減ってしまうと頭がボーッとした状態となったり、めまいや頭痛を起こしたり、思考能力の低下につながります。また消化器官への血流が減ってしまうと食欲不振やむかつきなどが起こりやすくなります。
(3)水分とともにミネラル分が失われると体液の電解質バランスが崩れ、神経から筋肉への指令がうまく伝達できなくなり、筋肉がけいれんしたり、しびれや脱力などが起こったりします。
(2)脳への血流が減ってしまうと頭がボーッとした状態となったり、めまいや頭痛を起こしたり、思考能力の低下につながります。また消化器官への血流が減ってしまうと食欲不振やむかつきなどが起こりやすくなります。
(3)水分とともにミネラル分が失われると体液の電解質バランスが崩れ、神経から筋肉への指令がうまく伝達できなくなり、筋肉がけいれんしたり、しびれや脱力などが起こったりします。
「水が飲みたい」と感じた時点ですでに身体の中は軽度の脱水状態にあるといわれています。脱水症状をチェックする方法としては、以前にもお伝えしましたが、「運動前と運動後の体重を測定し、体重の減少を2%以内に抑える」ようにすること。体重60㎏の選手であれば、練習後の体重が58.8㎏よりも減らないように、練習中からこまめな水分補給を行うようにしましょう。
水分補給を行う際は水分とともにミネラル分もあわせて補給するようにします。水分のみを補給し続けると、体液が薄まってしまい、身体が体液の濃度を元の状態に戻そうと水分を排出する働きが加速します。これは自発的脱水と呼ばれ、水分をとっているのに水分を排出し、結果として脱水症状を起こしている状態です。
日本体育協会では、熱中症予防の水分補給としてスポーツドリンクなどを利用して0.1〜0.2%の塩分も同時にとるように奨励しています。また体液の成分に近い経口補水液は、水1リットルに対し、塩分3gと砂糖40gを混ぜて作ることが出来ますので、市販の経口補水液が手に入らない場合は自宅で作ることも可能です。ただし家庭で作ったものは保存料などを含みませんので、作ったらあまり日をおかず、なるべく早く飲みきってしまうようにしましょう。
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。