ニュース 2017.09.26. 18:38

レントゲンでは分からない靱帯や軟骨の損傷

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レントゲンは骨そのものや骨の並び方などに異常がないかを確認するのに適しており、ボールが当たったところが骨折しているかどうかを確認するためにはとても有効な画像診断法といえます。

ケガをした時は多くの場合、病院でレントゲンを撮って骨に異常がないかどうかを確認しますが、強い打撲の直後では患部の炎症や腫れが大きく、まれに微細な骨折やひびなどが映らないケースもあります。ケガをした直後のレントゲンで異常が見られなくても、日を追うごとに痛みが増す場合は再度病院を受診し、医師と相談の上、レントゲンや必要に応じてMRI(磁気共鳴画像)検査、CT検査などを受けるようにしましょう。

また、長期にわたって続く力学的ストレスによって起こる疲労骨折は、レントゲンに写らないことも多く、こうした場合は骨の並び方や変形具合、また時間の経過とともに治ってくる過程において疲労骨折が見つかる場合もあります(疲労骨折が疑われる場合はCT検査を受けることで確認することが出来ます)。

レントゲンを撮って異常が見つからなかった場合は、ひとまず骨折など骨が痛んでいるケガではないとわかりますが、ケガの多くは軟骨部分や靱帯、筋肉などさまざまなところを痛めることで起こります。どこを痛めているのかという部位を特定するためにまず用いられるのがレントゲンであり、それ以外での検査や医師との問診、診察などによって的確な診断が得られることになります。

どこを痛めているかがハッキリすると安静期間や治療方法、リハビリの実施などの計画が立てやすくなり、結果的にケガからの早期復帰につながります。レントゲンはケガの部位を特定するための一つの方法であることを理解しておきましょう。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
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