(その1)朝のスタートダッシュに最適
カレーの香辛料はさまざまな作用がみられますが、交感神経を刺激し、食欲を増進させて自然と食事量が増えるようになります。特にご飯にカレーをかけてたくさん食べることは、身体を動かすために必要なエネルギー源である炭水化物をとることができます。炭水化物は脳のエネルギー源でもありますので、朝から頭をフル回転させるためにも朝からしっかりとっておきたい栄養素の一つです。朝カレーは身体や脳を刺激して一日の始まりからエンジン全開で活動するための朝食ともいえるでしょう。
(その2)自然とボリュームアップする朝食
成長期の選手たちは毎日の食事をバランス良く、年代にあわせて必要な食事量をとることが望ましいのですが、三食のうちの朝食はボリュームダウンしがちです。パンとジュースだけで済ませてしまったり、寝坊して欠食してしまったり…ということでは身体づくりに必要な栄養が不足することになります。カレーは一皿でご飯(炭水化物)・肉類(タンパク質)・野菜が含まれており、栄養バランスに優れています。朝は何となく食欲がわかない、たくさん食べることが出来ない…と悩んでいる選手にこそ、ご飯にカレーをかけて朝からモリモリ食べてほしいところです。
(その3)試合前の緊張をほぐし、やる気を奮い立たせる
試合の日は緊張して食欲がわかなかったり、胃腸の調子が今ひとつ…と感じたりすることがあるかもしれません。カレーは「食べる胃薬」といわれるほどで、カレーに含まれるスパイスはさまざまな影響をもたらします。カレー独特の香りをもたらすクミンには、食欲増進や消化を促す効果に加え、胃腸内にガスがたまるのを予防し、胃痛や腹痛を和らげる効果があるといわれています。この他にもカルダモンには脳の前頭葉を刺激し、ここぞという時の集中力アップに効果が期待できますし、香りづけに使われるクローブはポリフェノールをはじめとした抗酸化成分が多く含まれています。カレーを食べると緊張を適度に緩和するストレス解消効果がみられたり、ホルモンの一種であるセロトニンが多く分泌されたりと、前向きでやる気を奮い立たせる働きもあるといわれています。
カレーのさまざまなメリットを活かし、朝食のラインナップにカレーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。