いろいろな競技の経験が子どもの運動神経を発達させる!
子どもの運動神経が発達しやすいとされる年齢層(ゴールデンエイジ)は、およそ3歳から14歳までといわれており、その影響は遺伝よりもむしろ環境に大きく左右されると言われています。つまり子どもの運動神経を伸ばすには、発育・発達段階にあった動作をする機会や環境を増やすことが重要なのです。
運動神経の発達において大切なことは脳にさまざまな動きの神経回路をつくることですが、それは子どもが自ら選択するというよりも、保護者から提供されることが多いと思います。
保護者が子どもたちに出来ることといえば、普段の生活でさまざまな動きを体験させることであり、スポーツを行うジュニアアスリートにおいては慢性的なスポーツ傷害を予防するという点でも一つの競技にしぼらず、多くのスポーツを経験させてあげることも大切ではないかと考えます。
以前に比べるとスポーツ傷害の低年齢化が問題になっており、体力レベルを超えた練習量や特定の部位のみを使い続けることはその原因であると考えられます。
走ったり、投げたり、打ったりという野球特有の動作もルールを変えたり、左右逆にしてみたりといったことでも面白さが違ってきます。野球をする中で楽しみながら知らず知らずのうちに運動神経が鍛えられていることが理想的です。
またジュニア期にはスポーツの適性がわからない場合も多いので、たとえば野球が上手に出来ないことに劣等感を抱かせることなく、違ったスポーツなども楽しみながら、得意なものを探すということもぜひ行ってみてください。
子どもたちと一緒に保護者も参加して運動を行うこともオススメです。
保護者が楽しそうに身体を動かす姿を見ると、子どもたちもさまざまな動作にチャレンジし、楽しみながら運動神経を養うことができるのではないでしょうか。
『参考図書』
「運動神経がよくなる本」中村和彦著(マキノ出版)
「ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本」遠山健太著(学研マーケティング)
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。