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「NPO法人日本少年野球研究所」佐藤洋代表を訪ねて(後編)

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アップが終わると佐藤さんから「今日は二人組で卓球」という声がかかり、次のメニューに移った。卓球と言ってもラケットで行うのではなく、グラブとボールを使ってグラブトスをしながら行う卓球に見立てたゲームだ。グラブさばきの柔らかさを養うことを目的としたものだが、これも野球の練習とは離れたものだった。



このメニューが終わると、次はゲーム形式の実戦。実戦と言っても紅白戦のようなしっかりしたものではなく、投手もじゃんけんで決め、ポジションもざっくりとした位置で守りながら行うもので、まさに昭和の子ども達が近所の空き地で行うようなものだった。最後に佐藤さん自身がトスを上げてバッティング練習を行いメニューは終了。『スクール』とは言いながらも、遊びの要素が非常に多いメニューだった。そして最も特徴的だったのが、佐藤さんがほとんど指示を出さないという点である。子ども達は勝手に順番を決め、ゲームでも自分たちで審判を行いそれに対して佐藤さんが何かを口出しすることは一切なかった。



「遊びに対して大人が口出しをすると一気に白けるんですよ。それに大人の顔色をうかがうようになる。それだと楽しくないし、自分で何かをやろうとするようにはなりません。だから自分は基本的には見ているだけです。それでも自然と上の学年の子が下の子の面倒を見るようになるし、ゲームも成立します。そうやって遊びながら楽しみながら野球を覚えていく。今の少年野球、中学野球は上のレベルを目指す子向けに偏っていると思うんですよ。そうじゃない子も野球ができる環境を作っていかないと本当の意味での底辺拡大にはならないと思います」

佐藤さんの話によると、取材を意識していつもより子ども達がしっかりやっているとのことだったが、それでも楽しんでいる雰囲気は十分に伝わってきた。このような取り組みが全国に広がり、一人でも多くの子どもが野球を楽しめる環境が整うことが本当の意味での底辺拡大に繋がる。そう強く感じるMFT野球スクールの光景だった。(取材:西尾典文/撮影:編集部)

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