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筑波大学川村准教授が考える、「速いボールを投げる」前に知っておくべきこと(後編)

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――実際にボールを投げる動きという点ではどうですか?
「前回のインタビュー(「筑波大学川村准教授が考える野球離れの原因、野球のこれから(後編)」)でもお話しましたが、パラボリックスローはやはり有効だと思います。強く投げる必要は全くなくて、どの程度力を入れればこれくらい飛ぶという感覚を養うことが目的です。
最後にボールに力を伝達するのは人差し指と中指の二本の指ですから、ここの調整が上手くできるというのは凄く重要なんですね。うちの野球部の卒業生で今社会人でプレーしている宮谷(陽介・東京ガス)というピッチャーがいるんですが、脚を怪我してボールが投げられない時に指だけでボールを弾いて投げるという練習をやりました。手首も使わずに本当に指だけです。最初は目の前に落ちるくらいしか投げられなかったのですが、だんだんコツをつかんでできるようになって、故障が治ってからもいいボールが来るようになりました。これは大学生なので練習としてやりましたが、子どもは遊びや日常生活の中で使う程度で十分だと思います。
とにかく速いボールを投げたいと思って焦らないことが重要です。子どものうちに無理して速いボールを投げようとしなくても、上手に身体を使うことができれば後で成長した時に速くなるということを知っておいてほしいですね」

身長が止まった後に速くなる、急激に速くなった時が危険、子どものうちに速くなっても後で苦しむこともある、育成年代の指導者、保護者にとっては参考になるポイントが非常に多かったのではないだろうか。速いボールを投げようと思っても子ども間は焦らずに、「急がば回れ」ということだろう。この話を参考に、故障することなく速いボールが投げられるようになる選手が一人でも増えることを期待したい。(取材・西尾典文、撮影・編集部)


プロフィール

川村 卓(かわむら たかし)
1970年生まれ。北海道出身。札幌開成高校の3年時には主将として夏の甲子園に出場。筑波大学大学院体育研究科修了後、浜頓別高校での指導を経て2000年に筑波大の硬式野球部の監督に就任。現在は准教授としてコーチング、動作分析の研究の傍ら、野球の普及活動にも携わっている。

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