今回の質問・お悩み
「息子の打球が左にしか飛びません」
いつも楽しく拝見させて頂いています。
私の息子(小学校4年生)は地元の軟式少年野球クラブに入団しており、日々練習に励んでいます。
練習で、ロングティーを行うのですが、息子(右打ち)の打球はほぼ全てと言っていいぐらいショートから三塁側への打球になります。10球のうち、5球ぐらいは三塁側へのファールボールになります。
「センター返しをしろ」と監督から言われますが中々うまく行きません。
インパクトからフォロースルーにかけてバットを巻き込んでいるように見えます。また、体の開きも早いように思われます。
ネットの前でのティーでも、ネットに入らずネットの左側に打球が行きます。
バットを巻き込むクセを修正できる練習方法等をご教授頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。(40代 男性)
廣川さんの答え
今回のご相談もなかなか説明が難しいので2回に分けて説明したいと思います。
1回目は「原因と解決のための技術的ポイント」について、具体的な練習方法については次回説明したいと思います。
右打者が「左方向にしか打球が飛ばない」という現象は大きく分けて2つ考えられます。
では上記のような課題はどのように解決すれば良いでしょうか?
野球の中でも特に打撃は指導者によって諸説があります。私と全く違う理論で打撃を指導される方もいらっしゃいます。私の意見だけが正解ではないので、色々と試してみて、自分にあった打撃理論で練習されることをお勧めします。
私は上記の課題を解決する上でポイントは3つあると思います。
(図1)
(図2)
(図3)
この3つに留意しながらまずは素振りを50%くらいの力でやってみましょう。
次回はボールを使った練習方法について説明したいと思います。
*「ご用件」に「少年野球質問箱」と書いて、廣川さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。
【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数。
1回目は「原因と解決のための技術的ポイント」について、具体的な練習方法については次回説明したいと思います。
右打者が「左方向にしか打球が飛ばない」という現象は大きく分けて2つ考えられます。
【原因1】体の開きが早い
これは最近の子供に多く見られる現象です。特に最近はオープンスタンスで構える子が増えているのでその傾向は顕著に見られます。体を開いて正対するとボールとの距離感が掴みやすいので体を開きたくなる気持ちはわかります。しかし体が開く癖がついてしまうと、外角のボールにバットが届かなくなったり、一番よく飛ぶ内角のボールをファールにしてしまうなどのデメリットがあります。【原因2】手首が早く返ってしまう
打撃ではインパクト→フォロースルーの間に「返し」によってヘッドを走らせます。しかしこの「返し」が早いとボールを引っ掛けたような打ち方になって打球が左方向に飛んでしまいます。この手首の「返し」は早過ぎても遅過ぎてもトップハンドの力が打球に伝わらないので、打球の速度を落としてしまいます。では上記のような課題はどのように解決すれば良いでしょうか?
野球の中でも特に打撃は指導者によって諸説があります。私と全く違う理論で打撃を指導される方もいらっしゃいます。私の意見だけが正解ではないので、色々と試してみて、自分にあった打撃理論で練習されることをお勧めします。
私は上記の課題を解決する上でポイントは3つあると思います。
(1)軸足の回転を抑える
「手打ちで打つな、足を使って打て!」という指導を耳にしたことがある方も多いと思います。そのため軸足を早く回転させようとする選手が多く見られます。軸足が回転すると体が早く開いてしまいます。そしてインパクトの前に体が開いてしまうと、結局足の力が打球に伝わりません。私はインパクトの瞬間に軸足の股関節を素早く内旋させるような感じで振ると良いと思います。(図1)
(2)インパクトの時にボトムハンドの手首を立てる
ボールを打つ時にボトムハンドの甲が上を向いていると、体が開きやすくなってしまいます。逆に手のひらが上を向くといわゆる「捏ねる」状態になってしまいます。ボトムハンドは手の甲が投手の方を向いているとヘッドが走りやすく、どの方向にも強い打球が打ちやすくなります。(図2)
(3)インサイド→アウトを心がけて振る
学童野球では「ダウンスイング」を指導する指導者が多くいます。筋力のない小学生がバットを高く構えてダウンスイングで振ると、バットの位置エネルギーが使えるので打球は飛びやすいのですが、ダウンスイングはドアスイングになりやすいので、「インサイド→アウト」で振ることを心がけたいです。具体的には下記のような練習をするのも良いと思います。(図3)
この3つに留意しながらまずは素振りを50%くらいの力でやってみましょう。
次回はボールを使った練習方法について説明したいと思います。
*後編へ続きます
*「ご用件」に「少年野球質問箱」と書いて、廣川さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。
「廣川さん」プロフィール
廣川寿(ひろかわ ひさし)1969年生まれ。愛媛県出身。全国約7,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」管理人。【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数。