練習は平日2日と、土日祝の週4回。市が管轄する穂波(ほなみ)総合運動公園内の硬式用野球場「穂波野球場(通称:B&G)」(両翼90m、中堅120m)を優先的に利用でき、野球環境は恵まれている。
夏休み期間中は、練習試合を入れながら、通常朝9時〜15時まで練習が行われた。この日はアメリカンノック(2セット=1セット4本)、キャッチボール、ボール回し、内・外野ノック、投内連係、挟殺プレーを午前中に行い、午後からはバッティング、ロングティー、個人ノック、ランナー付きの1カ所バッティングを行た。一人でも多く打てるように、昼食の時間を1,2年生でずらし、交代でケージに入るなどの工夫が見られた。
目を惹いたのは挟殺プレーの練習を時間をかけて行っていたことだ。
「三本間の挟殺は、ホームから遠いところでアウトを取るんだぞ!」
「100の力で追って、100の力で投げなさい」
「スローイングをしっかり!最後まで雑にしちゃいけんよ」
頭でわかっていても、体が動かない。高校野球で必ず経験する細かいプレーをわかりやすく説明してもらいながら、選手たちが繰り返し体に覚え込ませていた。春山監督は「先週はカットプレーの練習を1時間ずつやりました。試合では必ず暴投があるけんね、こういう練習は時間をかけて集中してやらんと。体で覚えていかないとダメなんですよ」。新チームが始まってまだ1カ月あまり。ぎこちない動きで失敗も多い選手たちに、根気よくコツを教えていた。
メジャーからノックを賞賛されたこともあった。2001年、春山監督が知人のつてでメジャーのトライアウトを日本で手伝ったとき、エンゼルス関係者がその技に驚き、ノッカーとしてスカウトした逸話がある。春山監督は「ノックは慣れですよ。平日練習で500球、土日は1000球打っているから、誰でもうまくなりますよ」と謙遜するが、このノックによって選手たちが鍛えられたことは間違いない。
例えば、走りながら捕球をさせる「アメリカンノック」は、前に後ろに横に、絶妙なタイミングで打球を打ち分ける。足の速い子、遅い子、捕球の上手い子、そうでない子。すべての選手の能力に合わせたノックを打てるから、選手の守備も上達していく。
OBで現在立教大主将を務める松崎健造選手(4年)は当時を振り返り「取れるか取れないかの球際に打ってくれるので捕球が上手くなるんですよ。試合の打球に近い、回転がかかっている球が来るので、自分のところに速く届いて『差し込まれる』感覚が練習できました。横浜高校時代の小倉コーチもノックはうまかったですが、春山さんはバット4本を使い分けたり、飛距離もすごく飛ぶし、ノックの上手さは特別でしたね」と語る。
春山監督のノックバットは、1カ所だけ色が剥げている。いつも同じ芯の部分でノックを打つからだ。
「30年の経験で、感覚が体にしみこんでいる」のは、ノックだけではない。右打者と、左打者を左右に置いて、両手でトスを上げる「両手ティーバッティング」も春山監督の特技だ。両手にボールを持ち、速いテンポでボールを上げていく。連ティーのようなリズムで上げるため、体力とコツが身につく。約950グラムの竹バットで、1箱約4分。バットを振る力と、スイングスピードをつける練習だ。
夏休み期間中は、練習試合を入れながら、通常朝9時〜15時まで練習が行われた。この日はアメリカンノック(2セット=1セット4本)、キャッチボール、ボール回し、内・外野ノック、投内連係、挟殺プレーを午前中に行い、午後からはバッティング、ロングティー、個人ノック、ランナー付きの1カ所バッティングを行た。一人でも多く打てるように、昼食の時間を1,2年生でずらし、交代でケージに入るなどの工夫が見られた。
目を惹いたのは挟殺プレーの練習を時間をかけて行っていたことだ。
「三本間の挟殺は、ホームから遠いところでアウトを取るんだぞ!」
「100の力で追って、100の力で投げなさい」
「スローイングをしっかり!最後まで雑にしちゃいけんよ」
頭でわかっていても、体が動かない。高校野球で必ず経験する細かいプレーをわかりやすく説明してもらいながら、選手たちが繰り返し体に覚え込ませていた。春山監督は「先週はカットプレーの練習を1時間ずつやりました。試合では必ず暴投があるけんね、こういう練習は時間をかけて集中してやらんと。体で覚えていかないとダメなんですよ」。新チームが始まってまだ1カ月あまり。ぎこちない動きで失敗も多い選手たちに、根気よくコツを教えていた。
メジャーからスカウトされた神ノック
中学硬式野球に詳しい人ならば、春山監督の代名詞は「神ノック」と答える人が多い。その理由は、10年ほど前、春山監督の打つノックがテレビで特集され話題になった。巧みなバットコントロールで思い通りのところへ打球を落とすノックは「神ノック」と紹介された。テレビ用に紹介されたシーンは3つで、三塁ベース上にある500mlのペットボトルをノックで倒す技、片手にボール2個を持ってサードとショートへ同時にノックを打つ技、目隠しをした状態で正確に内野ノックを打つ技だった。その技はYOUTUBEでも広まり、番組を見ていない人の目にも届いた。メジャーからノックを賞賛されたこともあった。2001年、春山監督が知人のつてでメジャーのトライアウトを日本で手伝ったとき、エンゼルス関係者がその技に驚き、ノッカーとしてスカウトした逸話がある。春山監督は「ノックは慣れですよ。平日練習で500球、土日は1000球打っているから、誰でもうまくなりますよ」と謙遜するが、このノックによって選手たちが鍛えられたことは間違いない。
例えば、走りながら捕球をさせる「アメリカンノック」は、前に後ろに横に、絶妙なタイミングで打球を打ち分ける。足の速い子、遅い子、捕球の上手い子、そうでない子。すべての選手の能力に合わせたノックを打てるから、選手の守備も上達していく。
OBで現在立教大主将を務める松崎健造選手(4年)は当時を振り返り「取れるか取れないかの球際に打ってくれるので捕球が上手くなるんですよ。試合の打球に近い、回転がかかっている球が来るので、自分のところに速く届いて『差し込まれる』感覚が練習できました。横浜高校時代の小倉コーチもノックはうまかったですが、春山さんはバット4本を使い分けたり、飛距離もすごく飛ぶし、ノックの上手さは特別でしたね」と語る。
春山監督のノックバットは、1カ所だけ色が剥げている。いつも同じ芯の部分でノックを打つからだ。
「30年の経験で、感覚が体にしみこんでいる」のは、ノックだけではない。右打者と、左打者を左右に置いて、両手でトスを上げる「両手ティーバッティング」も春山監督の特技だ。両手にボールを持ち、速いテンポでボールを上げていく。連ティーのようなリズムで上げるため、体力とコツが身につく。約950グラムの竹バットで、1箱約4分。バットを振る力と、スイングスピードをつける練習だ。