賛否を呼んだガッツポーズ
今、グラウンドで黙々と練習をこなす西純矢の表情からは笑顔が絶えない。この冬の西の練習のテーマは「どんな時も明るく乗り切る」ことだ。「自分はチームに影響を与えやすい立場なので、苦しい練習でもしんどい表情を見せてはいけないと思って。どんな状況でも明るく乗り切っていこうと思っているんです」。
昨夏の甲子園では初戦の創成館(長崎)戦では最速149キロのストレートに加え、毎回の16奪三振を奪い、一気に注目の的となった。と、同時に“あること”も賛否を呼んだ。それはアウトにしたりピンチを脱した時に見せたガッツポーズだ。
ガッツポーズは決して相手を挑発しているのではなく、自分を鼓舞するつもりでやっているつもりだった。だが、実際は様々な受け止め方がある。
「自分ではそのつもりはなくても、不快な気持ちになっていた人も多かったと思います。予想以上に色んな反響がありました」。
夏の甲子園から帰郷し、自校グラウンドでの練習が終わった直後、長澤宏行監督に呼び出された。行くと、自分のガッツポーズをした写真を貼られ、自分に関しての苦言を書き込んだ手紙を見た。
「自分のことはもちろん、ちゃんと指導していない監督も悪いみたいなことも書いてあって。監督さんに申し訳ない気持ちになりました」。