スポーツでのケガを予防するためには運動前後のウォームアップやクールダウンを行うことが大切ですが、特に寒い時期は入念にウォームアップを行わないとケガにつながりやすいといわれています。
気温が低いと体はどうしても熱を外に逃さないように縮めてしまいますが、これによって関節や筋肉なども動きにくくなってしまいます。
関節や筋肉の動きが十分でない状態でメインの運動を始めてしまうと、頭の中で描いている動きと実際の体の状態にズレが生じ、力加減や繰り返される強いストレスなどによってケガを誘発しやすくなることが考えられます。
特に気をつけたいのが寒い時期に行う投球練習です。
投球練習は反復練習なので十分に体が温まって、関節可動域(関節の動く範囲)や筋肉の柔軟性が得られた状態で行わないと、投球側の肩や肘、腰などに負荷がかかりやすくなります。
投球練習を行う場合は、室内などある程度暖かいところで実施することや、屋外で行う場合は比較的気温の高い日中を選んで行うことなどを心がけましょう。
どうしても平日の夕方以降で投球練習をする場合は、投球数をあらかじめ決めておくことや、投げる前に肩や肘を直接ホットタオルなどで温めてから行うなどの配慮も必要です。
ホットタオルは濡らしたタオルを電子レンジで温める、もしくは温かいお湯でおしぼりを作って直接肩や肘を温めるようにします。火傷には十分注意して行うようにしましょう。
ウォームアップの工夫としては、練習前に温かい飲み物を飲むと短時間で体の中から温めることができます。
補食と同時にとるのであればカップ型のお味噌汁でもいいですし、ホットココア、コーンスープなど手軽にとれるもので構いません。
準備できる場合は紅茶にチューブ状のしょうがをほんの少しいれたしょうが紅茶がおすすめです。
また軽くジョギングを行った後に、縄跳びなど軽いジャンプ動作を繰り返すと比較的早く体が温まります。
体が十分に温まった状態でメイン練習に入ることを心がけましょう。
また練習後は低い外気温によって体内の熱が奪われ、急激に体が冷えてしまいます。
汗をかいたらタオルでこまめに拭き、練習が終わったら体を冷やさないように着替えを行って、体調を崩さないように十分に注意しましょう。
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
気温が低いと体はどうしても熱を外に逃さないように縮めてしまいますが、これによって関節や筋肉なども動きにくくなってしまいます。
関節や筋肉の動きが十分でない状態でメインの運動を始めてしまうと、頭の中で描いている動きと実際の体の状態にズレが生じ、力加減や繰り返される強いストレスなどによってケガを誘発しやすくなることが考えられます。
特に気をつけたいのが寒い時期に行う投球練習です。
投球練習は反復練習なので十分に体が温まって、関節可動域(関節の動く範囲)や筋肉の柔軟性が得られた状態で行わないと、投球側の肩や肘、腰などに負荷がかかりやすくなります。
投球練習を行う場合は、室内などある程度暖かいところで実施することや、屋外で行う場合は比較的気温の高い日中を選んで行うことなどを心がけましょう。
どうしても平日の夕方以降で投球練習をする場合は、投球数をあらかじめ決めておくことや、投げる前に肩や肘を直接ホットタオルなどで温めてから行うなどの配慮も必要です。
ホットタオルは濡らしたタオルを電子レンジで温める、もしくは温かいお湯でおしぼりを作って直接肩や肘を温めるようにします。火傷には十分注意して行うようにしましょう。
ウォームアップの工夫としては、練習前に温かい飲み物を飲むと短時間で体の中から温めることができます。
補食と同時にとるのであればカップ型のお味噌汁でもいいですし、ホットココア、コーンスープなど手軽にとれるもので構いません。
準備できる場合は紅茶にチューブ状のしょうがをほんの少しいれたしょうが紅茶がおすすめです。
また軽くジョギングを行った後に、縄跳びなど軽いジャンプ動作を繰り返すと比較的早く体が温まります。
体が十分に温まった状態でメイン練習に入ることを心がけましょう。
また練習後は低い外気温によって体内の熱が奪われ、急激に体が冷えてしまいます。
汗をかいたらタオルでこまめに拭き、練習が終わったら体を冷やさないように着替えを行って、体調を崩さないように十分に注意しましょう。
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。