筋肉は筋線維の束がまとまって力を発揮しますが、この筋線維の一部が傷んだり、部分的に断裂したりすることを一般的には肉離れと呼んでいます。
特にランニングやジャンプ、投球動作などの運動によって筋肉を伸ばしながらブレーキをかけるとき、筋肉と腱のつなぎ目がはがれたり、筋繊維が部分的に断裂したりして、痛みなどを伴い正常に動かなくなってしまいます。
肉離れは筋肉のあらゆる部位で起こる可能性がありますが、スポーツの場面では太ももの後ろ側(ハムストリングス)によく見られます。
ほかに太ももの前側(大腿四頭筋)やふくらはぎ、スイング動作によるわき腹の肉離れなどもあります。
野球では守備や走塁などでの切り返し動作や、練習の後半や終盤に疲労がたまった状態で、負荷の高いランニングを行うことでも起こりやすくなります。
太ももやふくらはぎの肉離れでは「走っているときにブチっと音がした」「急に力が入らなくなった」といったわかりやすいサインが現れ、その後すぐに痛みを伴ってプレーを続けることが困難になります。
肉離れを起こす原因はさまざまですが、考えられるのは筋肉の柔軟性が低下していることや、筋疲労、筋力のアンバランスなどです。
ハムストリングスに肉離れがよく起こるのは、大腿四頭筋(前側)の筋力に対して後ろ側の筋力が弱すぎることが原因の一つと言われています。
またこれにウォームアップ不足やクールダウン不足が加わると、さらに筋肉の柔軟性や関節の可動域などが悪くなってしまい、運動によって加わる牽引ストレス(筋肉が引き伸ばされること)に耐えられずに肉離れを起こしてしまうと考えられます。
肉離れは急に起こるものと思われがちですが、その前兆として筋肉の張りや違和感を覚えたり、硬さを感じたりすることも多く、こういった体の変化を見逃さずに対応するだけでも肉離れを未然に防ぐことができます。
おかしいなと思ったらまずはストレッチを行って左右の状態を確認したり、体が温まった段階で違和感が改善するかどうかをチェックしましょう。
その際、筋肉を伸ばすだけでも痛みがある場合は、これ以上負荷をかけると肉離れを起こすサインです。
ムリをせずに休むようにしましょう。
また入念にウォームアップを行うことはもちろんですが、練習の後半になればなるほど疲労も蓄積し、肉離れになるリスクは高まります。
高強度のランニングを練習の終盤に行うことはなるべく避けるといった、練習の組み立て方についても工夫する必要があるといえるでしょう。
次回は肉離れの治療とリハビリについて紹介します。
■タイトル:「基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング」
■発行元:日本文芸社
■著者:西村典子
■価格:1728円
■頁数:256頁
特にランニングやジャンプ、投球動作などの運動によって筋肉を伸ばしながらブレーキをかけるとき、筋肉と腱のつなぎ目がはがれたり、筋繊維が部分的に断裂したりして、痛みなどを伴い正常に動かなくなってしまいます。
肉離れは筋肉のあらゆる部位で起こる可能性がありますが、スポーツの場面では太ももの後ろ側(ハムストリングス)によく見られます。
ほかに太ももの前側(大腿四頭筋)やふくらはぎ、スイング動作によるわき腹の肉離れなどもあります。
野球では守備や走塁などでの切り返し動作や、練習の後半や終盤に疲労がたまった状態で、負荷の高いランニングを行うことでも起こりやすくなります。
太ももやふくらはぎの肉離れでは「走っているときにブチっと音がした」「急に力が入らなくなった」といったわかりやすいサインが現れ、その後すぐに痛みを伴ってプレーを続けることが困難になります。
肉離れを起こす原因はさまざまですが、考えられるのは筋肉の柔軟性が低下していることや、筋疲労、筋力のアンバランスなどです。
ハムストリングスに肉離れがよく起こるのは、大腿四頭筋(前側)の筋力に対して後ろ側の筋力が弱すぎることが原因の一つと言われています。
またこれにウォームアップ不足やクールダウン不足が加わると、さらに筋肉の柔軟性や関節の可動域などが悪くなってしまい、運動によって加わる牽引ストレス(筋肉が引き伸ばされること)に耐えられずに肉離れを起こしてしまうと考えられます。
肉離れは急に起こるものと思われがちですが、その前兆として筋肉の張りや違和感を覚えたり、硬さを感じたりすることも多く、こういった体の変化を見逃さずに対応するだけでも肉離れを未然に防ぐことができます。
おかしいなと思ったらまずはストレッチを行って左右の状態を確認したり、体が温まった段階で違和感が改善するかどうかをチェックしましょう。
その際、筋肉を伸ばすだけでも痛みがある場合は、これ以上負荷をかけると肉離れを起こすサインです。
ムリをせずに休むようにしましょう。
また入念にウォームアップを行うことはもちろんですが、練習の後半になればなるほど疲労も蓄積し、肉離れになるリスクは高まります。
高強度のランニングを練習の終盤に行うことはなるべく避けるといった、練習の組み立て方についても工夫する必要があるといえるでしょう。
次回は肉離れの治療とリハビリについて紹介します。
こちらでも詳しく紹介されています!
■タイトル:「基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング」
■発行元:日本文芸社
■著者:西村典子
■価格:1728円
■頁数:256頁
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。