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中井監督が「広陵の子はイマドキではない、昭和の子」と言う理由

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広陵の寮生活で中井哲之監督がこだわるのは、全員で揃って食事をとることだ。1〜3年までレギュラーや控え選手関係なく、一斉に食卓につき、「いただきます」と手を合わせる。遠征先でも同じだ。もし、足りないおかずなどがあると、まずは1年生から好きなものを選ばせる。「お兄ちゃんが弟に“どれを食べたいんや”って選ばせるようなものですね。たまに3年生から、という時もあります。そこは(1年生ばかりだと)調子に乗ってしまうこともあるので、うまく考えながらやっています」。

そうやって協調性を身につけ、周囲への気配りができるようになる。そしてもうひとつ、チームとして大事にしている言葉がある。広陵高野球部の監督室に入るとまず、大きな額縁に入った力強く太い言葉が目につく。

「ありがとう」

私たちも日常で感謝の気持ちを述べるために発する言葉だが、秋山功太郎主将はこの言葉の意味について「自分たちが間違っていた時に叱ってもらった時も“ありがとう”という言葉を忘れないようにしています」と話していた。感謝、御礼はもちろんだが、この言葉には数えきれないほど深い意味が込められていることを実感する。そして差し入れをもらった時も、単に“ありがとうございます”だけではなく、まず誰からいただいたのかを確認するのが“中井イズム”だ。
「スポーツドリンク1本にしても、1本150円くらいでもこれだけの部員数だとどれくらいの額になるのか。そのあたりを考えられるようになってほしいです。もらったから“いただきます”だけではダメなんですよ。その前にもらった人に“ありがとう”を言えるようにならないと」。

そういう“気づき”ができる選手が広陵には本当に多いと取材をしていても感じる。話し方は常に低姿勢。並んで話していても、相手の目をしっかり見て、話す時の目は生き生きとしている。
「大学の関係者の方によく”広陵の血が欲しい“って言われるんですよ。技術というより人間性で」と中井監督は誇らしげな表情を浮かべるが、これは広陵野球部での2年半で培った日常が子どもたちを変貌させている証だ。
ちなみに、卒業して全国各地の大学に散らばった卒業生は、新生活が始まって間もなく”5月病“になるという。
「新しい環境に慣れて、ということではなく、『大学野球ってこんな環境なのか』、『この先輩は野球がすごく上手いけれど野球しか教わっていない人なんだ』ってショックを受けるようです」(中井監督)。

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