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東大野球部浜田監督インタビュー「指導者は子どもの体、生理的なことの理解が必要」

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言わずと知れた国内最高学府である東京大学(以下東大)。その野球部の歴史も古く、学生野球からスタートした日本野球の開祖とも言える存在だ。そんな東大野球部を指導する浜田一志監督は自身も1985年春にシーズン3本塁打(東大野球部史上1位タイ記録)を放つなど強打者として活躍し、卒業後は企業での勤務を経て独立し学習塾の経営者としても見事な実績を残しているまさに『文武両道』の体現者である。そんな浜田監督に野球少年、またその保護者や指導者にジュニア世代において重要なことについて話を聞いた。




■まずは勉強をするという習慣をつけること


――子ども、小学生年代の間にこういうことを教えた方が良いということはありますか?

「挨拶をしっかりするとか、使った後はきれいに掃除する、といったことでいいと思いますね。指導者の立場で言えば野球の技術の前に子どもの体、生理的なことをちゃんと理解する必要があります。高校生と大学生でも違いますけど、子どもはもっと違います。1日に必要な睡眠時間、食事の時間、生活をするための時間、そういったものが子どもは圧倒的に長く必要です。そういうことを理解したうえで何をすべきか考えてもらいたいですね」

――少し野球とは話がそれますが、勉強という点で子どものうちからやっておいた方がいいというものはありますか?

「まずは勉強をするという習慣をつけることですね。僕は勉強も本能だと思っています。さっき言ったスポーツやゲームをやると子どもは勝手に勝ちたがるのと同じです。

例えば新しい言葉を覚えたらそれを使ってみたくなる。何か覚えたら『お母さん、知ってる?』って聞くじゃないですか? 知りたいと思ったことをどう知るか、どう伝えるかというのを整理したことが勉強だと思うんですよ。インスタグラムでいい写真を撮ったら『いいね』がもらえて、もっと撮りたくなるのも同じです。伝える時にちゃんとした言葉で話すのが道徳、その文章をまとめるのが国語、それを外国の人に伝えるのが英語、という感じですね。伝えたいという本能がベースにあって、それを仕組化したFacebookは大儲けしたわけですけどね(笑)。

勉強が苦手な子は『何で勉強するんですか?』とよく聞きますけど、それは本能なんですよ。だからお父さん、お母さんは子どものそういう意欲をしっかり聞いて褒めてあげる、そうすることが勉強するモチベーションに繋がっていくと思います」

――少し極端な話ですが、子どもを持つ親御さんから「うちの子を東大に入れたいんですけど」と相談されたらどんなことをアドバイスしますか?

「入試の問題って必ず模範解答があるんですね。模範解答があるものに対しては必ず戦略が立てられます。まずそれを知ってほしいですね。大人の仕事は模範解答がないからどうすればいいか分からないですからね。

ただ、その子が何歳なのか? 今の学力から逆算してどれくらいかかるのか? それを考えたうえで戦略を立てた時に、あまりにも時間がかかるようであれば現実的ではないですよね。そんなことをやりとりしながら戦略を立てていくことから始めますね」



子どもに対してはまず『個の育成』が大事で、指導者は子どもの体や生理的な面を知る必要がある。また、子どもが知ったことを伝えたいという本能が勉強に繋がる。指導者や保護者にとっては非常に有益な話だったのではないだろうか。また、模範解答があるものには必ず戦略が立てられるという話も印象的だった。
この話を読んだ指導者、保護者が子どもに接するうえで少しでも参考にして、『野球だけバカ』ではない子どもが増えていくことが野球人口の減少を食い止めるうえでも重要になるだろう。(取材・西尾典文/写真・編集部)
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