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指導者は考えよう!生まれ月による子どもの成長差

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日本は4月が年度始めであり、同じ学年になるのは4月2日生まれから翌年の4月1日生まれになります。特に翌年の1月〜4月1日生まれを「早生まれ」と呼びますが、早生まれの子は最大で1年間同学年よりも生まれが遅いということになります。こうした生まれ月による差を「相対的年齢効果」と呼びますが、これはスポーツ選手にとってどのような影響をもたらすものでしょうか。

奈良県内の小学1年〜中学3年の男女3610人の体力測定データから相対的年齢効果を調査した奈良女子大・中田大貴准教授の研究論文によると、男子は小学1年〜中学3年の全学年で、前期(4月〜9月生まれ)の方が後期(10月〜3月生まれ)より身長、体重や握力などの身体特性と運動能力の数値が高く、特に小学5年以降は差が顕著にみられたとのこと。中学2年男子の場合は平均身長に4.6センチ、体重には3.3キロの差がみられ、体力測定では、立ち幅跳びで14センチ、握力で4.2キロ、50メートル走で0.4秒という差がみられました。
これはあくまでも平均値での比較ですが、前期グループの選手たちが「同学年」として練習や試合などで経験を積み重ねていくと、相対的に成長の遅い後期グループは身体能力の点においても遅れをとりがちになると考えられます。同級生との体力差を痛感し、自信をなくしてしまった経験のある早生まれの選手も中にはいるかもしれません。

一方で早生まれであっても、のちにプロ野球選手として活躍する選手も多くいますので、早生まれだから成長が遅くフィジカル面において不利であると決めつけるものでもありません。
野球を始めて間もないジュニア期の選手にとって、最大1年の成長差は運動能力においても大きく影響しやすい時期であるということを、指導者やトレーナーなど選手育成にたずさわる人は理解しておく必要があります。

その上で練習内容や体力面での評価などは同学年同士の比較ではなく、選手個人の成長を丁寧に観察すること、むやみやたらと競争させるのではなく体力面に配慮することも必要であるということを念頭に、選手の成長を長い目で見守ることが望ましいと言えるでしょう。(西村典子)
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