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「球数制限」は「スポーツマンシップ」に則って議論しよう(後編)

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中村聡宏氏は、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会代表理事・会長として、スポーツマンシップの普及・推進を通してより良い人を育み、より良い社会づくりに貢献することを目指し、多様な活動を行っている。また千葉商科大学サービス創造学部でも教鞭をとっている。スポーツマンシップの観点から「球数制限」について聞いたインタビューの後編。




■選手はスポーツマンシップを理解している


2018年の高校野球では、素晴らしいシーンも見られました。
この年はサッカーのワールドカップイヤーで「大迫ハンパないって」という言葉が流行しましたが、夏の甲子園の準々決勝で金足農と近江が対戦した試合では、負けた近江のナインが甲子園の土を袋に入れながら「吉田はんぱないって」と言っていました。ナインは「こういう時に使うんだな」と言っていましたが、敗者が勝者を讃える素晴らしい姿勢でした。
この試合は劇的なサヨナラツーランスクイズで幕を閉じましたが、近江の2年生、有馬諒捕手がうずくまっていると、金足農の主将の佐々木大夢選手が、彼を抱き起して「戦ってくれてありがとう。また来年帰って来いよ」と声をかけたそうです。そして、吉田輝星投手は、近江の選手にウィニングボールを渡しました。それは近江高校の監督が誕生日だったことを知っていて、プレゼントしたのだといいます。
スポーツマンはグッドフェローのこと。英訳すれば「良き仲間」です。あの日の甲子園には、グッドウィナーとグッドルーザーがいた。彼らは同じ高校野球を楽しむスポーツマンだったのですね。そういう共通了解を持ったうえでグラウンドに立っていれば、フェアじゃないプレーはできないでしょう。
高校野球の選手は、スポーツマンシップを理解しているといえる。問題は指導者のほうかもしれません。
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