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「球数制限」と共に、もっと頭を使って考えて練習すべき

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小林敬一良氏は1980年から2007年まで大阪の浪速高等学校硬式野球部監督。強豪校ひしめく大阪府大会を勝ち抜き甲子園に2回出場。多くの社会人、大学、プロ野球選手を育成。現在も小中学生から大学生までを指導している。小林氏に「球数制限」をめぐる問題について聞いた。




■投手の異状に気が付くのが指導者


僕は高校野球の指導者時代に球数を意識したことはありません。「この投手は疲れているな」「ちょっと無理だな」と思ったらそのタイミングで変えていました。
他の指導者のように「限界を超えて投げてみろ」とは思いませんでした。根性で限界を乗り越えさせるのは無理です。
本来、指導者は、そんな制限をしなくても「この子はこうなったら限界だ」とわかるような目を養わなければならないと思います。

投手と言っても置かれている立場によって様々です。確固としたエースピッチャーと、2番手、3番手、4番手、5番手では状況が違います。
5番手あたりになってくると、毎回の練習試合の結果でベンチに入れるか入れないか決まってきます。だから機会が与えられれば、練習試合でも必死で投げます。でも確固たるエースは練習試合ではいろんなことを試したり調整したりすることができます。エースが9回投げたときの疲労度とベンチ入りをかけて必死で投げている投手の疲労度は違います。
たとえイニング数が短くても、控え投手の方が疲れます。体だけでなく神経も疲れます。神経を使うことは筋肉だけでなく内臓にもダメージを与える可能性があります。それが肩ひじに悪影響を与える危険性もあります。考える過ぎる投手は疲れるのが早く、感性が鋭く、ひらめきで投げるタイプは疲労しにくい傾向にあります。
そういう事情も指導者は見抜かなければなりません。
今は指導者の中には、自分が投手指導についてよくわかっていないことを自覚していない人がいるように思います。率直に言って、将来ある投手を何人も潰している指導者は、たとえ甲子園に何回出ていても資質がないといっても良いのではないでしょうか。

■新人の起用には慎重


僕は、春に入部した新人投手を起用することには慎重でした。その選手のことが良くわからないうちに投げさせるのは危険ですし、受験勉強などで体を動かしていない可能性もある。
でも、有力私学や公立の強豪校などでは、入ってきたばかりの投手をすぐにマウンドに上げて投げさせることが多かった。1年の夏休みには新チームでがんがん投げさせている学校もありましたが、僕はそれをしなかった。完投なんてとんでもないと思っていました。
今、大学の硬式野球部で教えていますが、ここでも新人の起用には慎重です。他の大学では2月、3月からフルで投げさせているところもありますが、僕はそうはしません。高校時代に故障の経験があったり、体力的に不安がある選手を、気温が低いうちから投げ込ませるのは危険だと思うからです。
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