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「球数制限」と共に、もっと頭を使って考えて練習すべき

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■日程の問題


今の高校野球は日程にも問題があります。勝ち進んでいけばどうしても先発投手の酷使を生んでしまう。なぜあんなタイトなスケジュールでするのかよくわかりません。
例えば、甲子園大会も夏休みの前半と後半に分けてもいいかもしれない。
地方大会ももっと早くした方がいい。僕らが現役の頃は、地方大会は試験が終わってから始まっていましたが、今は試験中に部活をやっている例もあります。夏の予選と期末テストが重なる学校もあります。
それならもっと前倒しにして、6月に予選、地方大会を実施してもいいのではないですか。
6月に地方大会があれば、終わってから思い切り試験が勉強できます。試験が終わってすぐに予選に入ると熱中症、ケガの可能性が高まります。

■考えながら投球練習をしないと


投手の投げ込みについても問題になっていますが、僕は高校生や大学生の場合はある程度の球数は投げないと、投手としての感覚は身につかないと思います。
ただ、投球練習は頭を使ってやらなくてはいけないと思います。
投手はキャッチボール、遠投をしてからブルペンに入りますが、肩慣らしを十分にしているにもかかわらず、そのあとでブルペンで捕手を立たせて立ち投げを延々とする投手がいます。で、肝心の投球練習はカーブやスライダーなども含めて3,40球。これでは投球技術は身につきません。
キャッチボール、遠投の段階からフォームやコントロールの確認をしていたら、ブルペンで捕手を立たせなくてもいいし、そんなに投げなくてもいいはずです。頭を使えば、そんなに投げ込まなくても技術練習ができます。
キャッチボールや遠投もただ単にアップではなくて、技術練習、投球練習だということを認識してほしい。「球数制限」とともに、そういう意識づけが必要ではないでしょうか。

■分業に伴う問題


球数制限が導入されれば、投手の分業が進みます。そうなると新たな問題も出てきます。先発とは異なり、短いイニングを投げる投手には、また違ったリスクも出てきます。短いイニングを抑えようと力むから、テイクバックで必要以上に腕に力が入ります。これがダメージにつながりやすい。プロ野球でもセットアッパーやクローザーは寿命が短いですが、同じようなリスクがあると思います。

また、単に投球するだけでなく、フィードバックも必要です。何をテーマに投げて、どんな収穫があったか。何ができるようになったか。投手本人も、指導者もそれを大事にしなければなりません。

今の子供は、ゲームやスマホを使い慣れているせいか、広いところで遊ばないせいか、奥行きの感覚がないと感じます。空間認識能力が低いんです。
僕は小学校から大学まで投手を指導するときには「ボーリングのスパッツを空間に作る感覚で投げなさい」と言います。こういう風に腕を動かしたら、ここにボールが行くというのを空間として認識しなければならなりません。

高校野球はいろいろ改革すべきことがあると思います。「球数制限」は、その一つの手がかりとして導入すればいいのではないでしょうか。(取材・写真:広尾晃)
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