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「球数制限」は高校だけでなく、小学生まで含めた「年齢計画」で考えよう

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立花龍司氏は、近鉄バファローズのコンディショニングコーチを皮切りに、NPB,MLBでコンディショニングディレクター、コーチとして活躍。野茂英雄など多くの一線級の投手に高い信頼を得ている。また筑波大学大学院でトレーニング、コーチングを研究し修士号も得ている。そんな投手のメカニズムの専門家に、「球数制限」について聞いた。




■「骨端線」が閉じないうちに無理をする危険性


私は小学校から野球を始め、浪商高校野球部に進みましたが、ここで過酷な練習、特に投げ込みによって肩、ひじを壊しました。野球一筋でやってきただけに、一時は将来を絶望しました。
そんな経験があるので「球数制限」の導入には賛成です。最近、ポニーリーグが「球数制限」を導入したのも素晴らしいことだと思います。

しかし子供の場合は、1年ではなく、7歳から17歳までを考えた「年齢計画」を立てるべきだと思います。それをせずに高校で「球数制限」をしても中学で無制限に投げていたら、意味がありません。
なぜ17歳かと言うと、この年代は人間の成長を考える上で、重要な時期だからです。
子供の骨は大人の骨を小さくしたものではありません。骨の端に「骨端線」と言う溝があって、そこから柔らかい骨が出て骨化するのが、骨が成長する過程です。
骨端線が開いている状態では、先端に柔らかい骨が出て、そこに筋肉やじん体がついています。その状態のときに、大人と同じように投げさせると、故障のリスクが極めて高くなります。
骨端線が閉じるのは、個人差がありますが17~8歳です。そこまで年齢計画を立てて「球数制限」をしなければならないのです。

■キューバの低学年では1イニングごとに投手が交代


私は1995年にキューバに野球の勉強に行きました。現地の低学年から年齢ごとのナショナルチームを見て回りました。
小学校低学年では、1イニングごとに投手が交代します。
そして投手はワンバウンドになるようにふわっと投げます。思い切り腕を振らせません。ノーバウンドで投げさせると腕を振ってしまうので、あえてワンバウンドで投げさせているのです。
捕手は本塁から少し離れた位置で、ワンバウンドで捕球します。
ストライクゾーンもものすごく広い。手の届くゾーンは全部ストライクです。打者はそのエリアなら手を出します。
この時期の投手に求められるのは、「大体この辺に投げることができたらOK」ということです。
高学年になると少しずつストライクゾーンが狭くなって、キャッチャーも座ります。それでも投手は2イニングくらいで代わっていたと思います。
17歳、18歳で大きく伸びるためには、小学校の段階はこういう野球でもいいなと思いました。

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