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水沢ライナーズが行なった4つの改革(その3)「結果ではなく子どもの成長を優先」

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野球漫画『MAJOR』の編集者である宮坂保志さんが神奈川県川崎市宮前区の少年野球チーム『水沢ライナーズ』で行った画期的な改革。子どもの野球人口減少の要因の一つと考えられる“悪しき慣習”を取り払い、チームの再建に成功したのは約5年前。今回は改革をサポートした岩崎正人部長と中尾幸靖マネージャーにお話を伺い、試合を行うことすらままならなかった状況から部員が増えた要因をシリーズで聞いていきます。今回は3つ目の改革「チームの結果ではなく子どもの成長を優先すること」についてお話を伺いました。




――前回の話で「球数制限を導入したことで以前に比べ試合に勝つことが難しくなった」とお話していました。そこで、保護者からの不満を解消するためにある取り組みを始めたと聞いていますが

岩崎 チームの勝利に目を向けるのではなく、子ども一人ひとりの成長に目を向ける取り組みとして「年2回のスポーツテスト」を実地することにしました。子どもの成長記録を親御さんにフィードバックして、目に見える形で子どもが成長を示すことで、野球を通じて着実に成長しているとアピールすることができるのです。

中尾 年に2回、小学校で定期的に行う50メートル走や、走り幅跳びといった日本スポーツ協会(JSPO)の体力測定(運動適性テスト)に加えて、塁間のタイムや遠投など野球ならではの数値も記録しています。

――チームの勝利ではなく、子どもの成長を見に見える形で示すことで保護者の不満を解消したわけですね。その他にも、水沢ライナーズの練習には一見すると野球とは関係のないようなトレーニングをする光景がありますね。

岩崎 元監督の宮坂さんの発案で、数年前から練習の一環に『コオーディネーショントレーニング』を取り入れています。過去に旧東ドイツがアスリートを育成するために国策として考案したトレーニング方法で、簡単に言えば運動学習能力を向上させるトレーニングですね。お手玉やスキップなど一見すると野球に関係のない動きですが、子どもたちは楽しみながら野球に活かすことのできるトレーニングを行っています。

中尾 宮坂さんを筆頭にコオーディネーショントレーニングの資格を持っている方もチームにはいるので、アップのときなど身体全身をくまなく動かして神経回路を養っています。

――運動神経が向上すれば子どもの将来にも役立ちそうですね。

岩崎 野球を好きになって欲しいという気持ちはもちろんありますが、子どもたちの将来を考えるとあらゆるスポーツに対応できる運動神経を小学生のうちに養うことが重要だと思います。

中尾 日々のトレーニングの成果なのか、この前5、6年生を連れて専門家の立会いのもと、柔軟性のチェックをさせたことがあります。他のチームの子どもは野球の技術はあっても身体が一般の子どもより固かったのが印象的でしたね。その点、うちのチームの子どもたちはほとんど平均以上に柔らかかったです。これも日々のトレーニングや身体のケアの成果なのかと実感しました。(取材・細川良介/写真・編集部)

次回「水沢ライナーズが行なった4つの改革(その4)|『ティーボール大会開催』」に続きます。
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