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「球数制限」はエリート選手だけでなく、すべての選手のためにある

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■連合チームによって見えなくなっている実態


高校野球の競技人口が減少する中で、顕著になってきたのは「戦力格差」だ。一部の有力私学が、専用グラウンド、トレーニング施設、寮など恵まれた練習環境を完備して、多くの野球部員を入学させている一方で、主として公立高校を中心に、学校の生徒数の減少もあって、部員数が減少の一途をたどっている学校もある。
中には、かつて甲子園を沸かせたことのある名門校の中にも、部員数の減少に苦しんでいる学校もある。
日本高野連は、2012年から連合チームを認めた。部員数が9人を割り込んだ野球部でも廃部にせず、複数の学校でチームを組むことを認めたのだ。

硬式野球部員数や参加校数が、中学以下に比較して大きく減少しなかったのは、日本高野連のこうした措置も一因だと思われる。なかには野球部員数が0になっても、加盟校として名前だけが残っている学校もある。これらを考えれば、競技人口、参加校数の実態はさらに厳しいものになっているといっても良い。

■「試合に出るのが目標」というチームもある


連合チームは、練習環境も劣悪な場合が多い。合同練習は週1回程度が多く、単独の野球部に比べて熟練度は極めて低い。部員の中には貧困家庭の子も散見される。筆者が取材した中には「放課後はアルバイトで学費や生活費を稼がないといけないので、ほとんど練習していない。試合の前日に少し練習するだけ」という生徒もいた。
「生活がかかっているから無理に部活に出てこいとは言えない。ただ、中にはアルバイトが大変で授業が重荷になって中退する子も多い。学校につなぎとめるためにも部活に参加してもらっている」と語る指導者がいた。
試合も、統一したユニフォームではなく、それぞれの学校のユニフォームで出場する。夏の甲子園の予選である地方大会では、そういう学校が、甲子園に何度も出場するような有力校と対戦する。スタンドには応援者もほとんどいないような中で、連合チームの多くは初戦で大敗する。彼らにとっては「試合に出る」のが、目標になっている。
審判の中には、「有力校と連合チームでは実力差がありすぎる。有力校の選手の打球で、連合チームの選手がケガをする可能性がある」と指摘する声もある。
高校野球にはこうした「戦力格差」「貧富の格差」の問題も存在する。
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