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甲子園優勝監督に聞いた、ジュニア年代の指導で大事なこと

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中京大中京での監督として春5回、夏4回の甲子園出場を果たし、2009年夏には堂林翔太(広島)などを擁して全国制覇も成し遂げた大藤敏行監督。2010年に中京大中京の監督を退いてからはU18日本代表のヘッドコーチ、秋田県の『高校野球育成・強化プロジェクト』でアドバイザーを務めるなどの活動に取り組み、昨年秋から享栄の監督として現場に復帰を果たした。そんな大藤監督に、ジュニア年代の指導で大事にしてほしいこと、身につけておくと良いことなどについて聞きました。




ーー最近は小学生などジュニア年代の野球人口の減少が叫ばれることが増えていますが、この点について監督はどうご覧になっていますか?

「自分たちが子どもの頃はまず野球だったのが、今は色んな選択肢があるから仕方ない部分はあると思いますね。全体的にも海外に目が向いているじゃないですか。テニスの錦織圭選手や最近だとバスケの八村塁選手も出てきた。そうなるとそのスポーツへの関心は高まって、競技人口にも影響を与えますよね」

ーー少子化のスピード以上の勢いで野球人口が減少しているという話もあります。

「それについては野球界全体が人気にあぐらをかいていた部分はありますね。プロの球団が地元にある地域はまだいいんですよ。名古屋とか福岡とか。でもそれ以外の地域は地上波でもプロ野球中継を放送していないから、野球に触れる機会は昔よりも確実に減っている。プロ野球選手は子どもにとって憧れの対象ではなくなってきています。憧れの対象であるはずの選手の態度にも問題があったりすることもある。これは野球界全体で考えて取り組む必要があると思いますね」

ーー指導の現場を離れていた時には普及活動にも参加されたと聞きました。

「高野連の技術振興に関わっていたので、甲子園に子どもを招待してキッズフェスタなどもやりました。でもやっと動き始めたところで、まだまだ全体的には足りてないですよね。環境の変化もあって、公園で気軽に野球ができる機会も減っている。そういう点を補うような取り組みをもっと全体でやるべきですね」

ーー少し話は変わりますが、高校野球の監督という立場から見て、高校で野球を続けたい、甲子園を目指したいという子どもに対して、こういうことをやっておいた方がいいということはありますか?

「(小さい頃は)まずはティーボールなんかで打つ楽しさを体験する。またボールを投げる、受けるなど、プレーそのものを楽しんでもらうことが大事じゃないですかね。高校生になるとなかなかプレーを楽しむことは難しくなってきますけど、そういう経験が子どもの頃にあると、純粋に野球を頑張ろうという気持ちになれますよね」

ーー具体的な運動や体験などではいかがでしょうか?

「子どもの頃は野球だけでなくて、色んなスポーツを経験した方がいいと思います。特に自分の身体を使ってやる運動ですね。水泳とか体操とか。自分も子どもの頃にジュニア体操に通っていて、中学生の頃とかバック転もできたんですよ。そうやって自分の身体を動かすことをやっておくといいと思います。例えば鉄棒の蹴上がりって、腕力じゃなくてどこで力を入れるかのタイミングが大事なんですよ。そういうことってバッティングにも通じるところがありますよね」

ーージュニア世代の指導者に対してはいかがですか?

「まずは子どもに楽しんでもらうことが大事ですよね。子どもの頃は個人が楽しめるように持っていってあげた方がいいと思います。あとは(教える側に)ある程度しっかりした知識は必要ですよね。そういう意味ではライセンス制とかも検討した方が良いと思います」

ーー最後にジュニア年代の子ども、保護者、指導者の方にメッセージをお願いします。

「先ほども言いましたが、まずはプレーそのものを楽しむこと。保護者も指導者の方もそれを意識してもらいたいですよね。あと、箕島の監督をされていた尾藤(公)さんが『ピアスをしていようが茶髪だろうが野球が好きならよかろう』とお話されていたんですけど、そういう野球を好きな気持ちを大切にしてもらいたいですね」

ーーお忙しいところ貴重なお話ありがとうございました。

(取材・写真:西尾典文)

大藤敏行監督プロフィール
1962年生まれ。愛知県常滑市出身。中京(現中京大中京)では2年夏に三塁手として甲子園出場。中京大では2度のベストナインを受賞した。卒業後は静清工(現静清)でコーチを務め、1990年8月に母校の監督に就任。1997年選抜では準優勝、2009年夏の選手権では優勝を果たした。2010年に中京大中京の監督を退任。その後はU18日本代表のヘッドコーチなどを務め、2018年8月に享栄の監督に就任した。
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