ニュース 2019.11.14. 17:00

立花龍司さんnote「指導言語の解釈のズレ」

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ヤキュイクでも度々ご登場いただき、全国の少年野球の父兄、指導者に向けて提言、アドバイスなどをいただいている立花龍司さん。そんな立花さんが今年3月から「note」を始められています。今回はその中から、指導者の「指導言語の解釈のズレ」について書かれたものを紹介させていただきます。本格的にコーチをされている方からお父さんコーチまで、指導の参考になる内容ですので、ぜひお読みください。



(立花龍司さんの「note」より転載)



指導言語の解釈のズレ


当たり前のことですが、スポーツの現場では日々コーチたちが選手に言葉を使って指導しています。それらのことを指導言語というわけですが、野球においては、例えば「もう少し肘を上げて」とか、「もっと脇を締めて」とか、「リリースの高さをあと10cm高く」などが挙げられます。

しかし、ここで疑問が生じてきます。ここで使われる「もう少し」や「もっと」や「10cm」というのはあくまでもコーチの感覚によるものと、いうことです。しかし、往々にして、このコーチの感覚というのは選手にとってのものと違ってきます。「10cm」という具体的な数値ですら、いざ感覚となると、コーチと選手では違うことはあるでしょう。

たとえば「もっと上から叩け」と言われたら、地面に向かって極端に上から叩く人もいれば、緩やかなダウンスイングになる人や、極端過ぎたアッパースイングが理想のアッパースイングの軌道になる人など、聞き手、つまり選手の感覚によって各々違うのです。

ここで筑波大学の授業で受けた良いコーチになるためのトレーニングの一つをご紹介します。このトレーニングでは、2人1組になり、1つの机と2つの椅子、机の上には角砂糖3つとお箸、目隠し用のタオルが用意されています。

片方の人が選手役としてタオルで目隠しをし、もう片方がコーチ役となり。目隠しした選手に指示を出し、その指示をもとに選手がお箸で角砂糖3つを積み上げるというものです。この時選手役の人への物理的な接触は禁じます。

さて、コーチ役の指示が始まります。「もう少し右」「あと5cm上」「行き過ぎ、3cmくらい戻って」「ほんの少し下」などなど。指示は具体的ではっきりしていますが、なかなか上手く角砂糖を積む事が出来ません。

ここで初めてコーチ役は自分と他人の感覚は違うということに気がついていきます。ここまで伝わらないのは、もちろん目隠しをしているということもあると思いますが、実際のプレー中では自分の身体を見てプレーはしないのであながち遠い話ではありません。

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