ニュース 2019.11.20. 18:17

慶大、19年ぶり4度目の秋の大学日本一 大久保監督「最高のギフトをいただいた」

明治神宮野球大会
大学の部 決勝
● 関西大 0 - 8 慶大 ○

 慶大が2000年の第31回大会以来、19年ぶり4回目の秋の大学日本一に輝いた。

 試合開始直後、主導権を握ったのは慶大だった。1回、2番・下山(1年・慶應)が中前打で出塁すると、二死一塁から今秋ドラフトで中日から4位指名された4番・主将の郡司(4年・仙台育英)が左翼席へ2ランを放ち、幸先よく先制する。

 その後は関西大・森(4年・鳥取商)と慶大のエース・高橋佑樹(4年・川越東)の両左腕による、息詰まる投手戦に。森はスライダーとチェンジアップで2回以降2四球無安打。一方、高橋佑樹はカットボールとチェンジアップにカーブも巧みに織りまぜ、7回まで7奪三振、11の内野ゴロを積み上げるパーフェクトピッチング。

 2-0のまま試合は進み、8回表に慶大は2番・下山、3番・柳町(4年・慶應=ソフトバンク5位)の連打でチャンスを作り、無死二・三塁とすると、森から代わった関西大の2番手・肥後(4年・広陵)の外角スライダーに合わせた4番・郡司が右前へ2点適時打。さらに二死二・三塁から8番・瀬戸西(3年・慶應)が低めの球をすくい上げ、中越えの2点適時三塁打と、怒濤の攻撃でこの回4点を挙げた。

 4点の援護をもらい6-0となった8回裏、先発・高橋佑樹は先頭の4番・野口(2年・鳴門渦潮)に左安を許し、完全試合の夢は消えたが、後続を断って、この回も点を与えなかった。攻撃の手を緩めない打線は9回、二死一・二塁から途中出場の5番・渡部(年・桐光学園)が中堅へ試合を決定づける2点適時二塁打。

 その裏、高橋佑樹は、今季で退任する大久保秀昭監督の最後の試合に花を添えるべく、最後まで投げきり、125球で関西大を3安打に抑え、8奪三振無四球での完封劇を見せた。

▼ 慶大・大久保秀昭監督
「(試合前、選手たちに)1年間で一番最高の試合をしよう、と。ただそれだけ。郡司の先制本塁打、追加点のタイムリー、高橋佑樹のピッチング。4年生の活躍が光った試合。(今季限りで監督を勇退するが)最高のギフトをいただいたな、と思っている。感謝しかない。(郡司の存在は)リーグ戦も含めてどんどん上手くなっていった。僕の現役の頃に比べたら数段練習するし、身体も大きくなっていくし、強くなっていくし、上の世界に行って、まだまだ成長できる選手だと思う。楽しみです」。

▼ 慶大・主将の郡司裕也捕手
「最高です。最高の締めくくりだった。(胴上げされて)今風で言うと『エモい』というか…4年間頑張って良かったな、と。慶應に入って良かったなと思った。(先制本塁打は)それまで配球から何となくインコースの真っ直ぐが来るかな、と。来たら、それを捉えようと思っていた。完璧でした。(高橋佑樹の投球は)今まで一番良かった。ストレートがかなり走っていた。相手も変化球になかなか的を絞りづらかったと思う。最初リーグ戦に出た時は自分のことで精一杯で堂々とプレーできていなかった。大久保監督が僕を捕手としても打者としても成長させてくれた。感謝しきれないなという思いです。(プロへ進むが)日本一になったが、実力がいきなり通用するものではないと思っている。1月から始まるが、それまでは大事なレベルアップの期間。課題と向き合って基礎から練習していきたい」。

▼ 慶大・高橋佑樹投手
「終わってみれば、神宮で投げる最後の試合でこういう結果が残ったことは本当に嬉しい。泣いちゃうんで、試合中は余計なことを考えないように、打者のことしか考えず、気をつけて投げた。(7回まで完全投球で自身はゾーンに)入っていたことに…しますか(笑)。(8回に安打を許したが)この走者を気にしなくてもいいかな、と。意外とマウンドでは冷静だった。(今後は社会人へ進む)都市対抗で優勝できるように頑張りたい」。

▼ 関西大・早瀬万豊監督
「内容のあるゲームをしたかった。森は自分のピッチングを十分してくれた。ただ、攻撃の方が、高橋佑樹くんのタイミングを外すボールになかなか合わないままだった。(47年ぶりの決勝進出で)ありがたい舞台で食らいついてでも競ったゲームをしたかったが、それが叶わなかったのは残念」。

▼ 関西大・森翔平投手
「悔いが残る。(郡司に本塁打を許した)あの1球を投じてしまって勝てなかった。ピンチの場面こそ攻めようと思っていた。ボール球でもいいという気持ちで、胸元ギリギリでもという余裕があれば、次で勝負できてファウルや空振りを取れたかもしれない。いい経験になった。優勝できなかった悔しい気持ちはあるが、ここまで来れたのは下級生や同期のみんなのおかげ。感謝したい」。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)
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