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立花龍司さんnote「良いプレーを再びしてほしい時、失敗を繰り返して欲しくない時」

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ヤキュイクでも度々ご登場いただき、全国の少年野球の父兄、指導者に向けて提言、アドバイスなどをいただいている立花龍司さん。そんな立花さんが今年3月から「note」を始められています。今回はその中から、指導者の「指導言語の解釈のズレ」について書かれたものを紹介させていただきます。本格的にコーチをされている方からお父さんコーチまで、指導の参考になる内容ですので、ぜひお読みください。



(立花龍司さんの「note」より転載)


前々回のnoteにて、「怒る」と「叱る」の違いについて書きました。当たり前ですが、尋常ではない怒られ方をすると人は傷つきます。特に大勢の人がいる前ではなおさらでしょう。

時に、こうした深く傷ついてしまうような怒られ方をすると、人はフラッシュバックに陥ることがあります。フラッシュバックとは、強いトラウマ(心的外傷)体験を受けた場合に、後になってその記憶が、突然かつ鮮明に思い出されたり、あるいは夢に見たり、することです。心的外傷後、さらにストレス障害(PTSD)などになるケースが多いようです。

例えば何でもない打球をエラーし、激しくコーチに罵声を浴びせられると、同じような打球が来た時、その時の恐怖が瞬時によぎり、身体がこわばって自由に動かなくなって硬直してしまい、再び同じようなエラーをしてしまう。

また何でもない送球を暴投した結果、激しく怒られるとイップスになる人もいます。もし、「あいつは、何度言っても同じ失敗を何回も繰り返しする」という指導者の方がいらしたら、それはあなたが原因なのかもしれません。

では、失敗をしたら、放っておけばよいのでしょうか?というと、それも違います。私がメッツ在籍中に大切な一戦で、ある内野手が何でもないゴロをエラーし、それが原因で試合を落としました。この時の内野守備コーチがとった行動は一見に値するものでした。

彼はそのエラーした選手を決して怒ることはしませんでした。実はこのエラー、なんでもないとは言っても、走者が目の前を走り、一瞬打球が視界から消えてしまっていたのです。だからと言って、ランナーに視界を遮られること自体、野球ではよくあることなので、「仕方がない」ではすみません。

そこでコーチとエラーをした選手は映像を少しだけチェックします。ちなみに失敗した映像は原因さえわかれば必要以上には見ないのが鉄則です。良いプレーをした時の映像は何度でも見るのですが、失敗の映像は確認程度でいいのです。

原因がわかったら観客が帰るのを待ち、グラウンドに出て、ボールボーイをランナーに見立て、何回もコーチが同じシーン、つまり、ランナーによって一瞬視界から打球が消えるようにしてノックを打つのです。

要するに、失敗した体験と同じ状況で、今度は何回も成功体験を繰り返すのです。このことにより失敗体験を消していきます。そして一言、「ほらね! 君くらいの選手になれば、一瞬ボールが視界から消えても大丈夫だよ」と。

フラッシュバックは非常にネガティブな言葉のように聞こえますが、実はポジティブなフラッシュバックもあるのです。良いプレーをした時、徹底的に褒められると、ある意味真逆のフラッシュバック効果が現れるのです。

これで後に同じような場面になった時、再び褒められた喜びや自信が甦り、繰り返し成功したプレーが出来てしまうことが多くなるのです。私は良いプレーをした時は、これでもかというくらい褒めるようにしています。それは再び素晴らしいプレーをしてほしいからです。

日米の子育て文化の違いに、アメリカでは大人に褒めてもらえるように行動させ、日本は大人に怒られないように行動させるという特徴があります。こうした文化の違いは若い選手の育成にも影響が出ているのかもしれません。

文化の違いはさておき、良いプレーをした選手にまたそういうプレーをして欲しければ、やはり徹底的に褒めることが大切だと思います。同時に、失敗を繰り返してほしくなければ、あまり時間が経たないうちに成功体験を練習で繰り返し、新たな成功体験を作ってあげるということが大切なのです。




立花龍司さんのnoteはこちらから
https://note.mu/tachiryu89
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