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少年野球年代で「他のスポーツに取り組む」ことがなぜ重要なのか?

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12月8日、市川シニアの主催で指導者講習会が行われた。講師として登壇したのは、ヤキュイクでも過去にインタビューを公開した、立花龍司さん。そして今回はセミナーに加えて、市川シニアの選手に対して新たな取り組みとして開発した『野球太極拳』のレクチャーも実施された。その模様を前編、後編に分けてレポートする。




前回お届けした立花さんのインタビューでも触れたが、コーチの語源、コーチの役割、最新のコーチングなどの話がまずあり、その後に時間をとって説明があったのがジュニア年代の成長についての話だ。子どもの骨は大人の骨とは違い、骨端線が閉じるまでは大きな負荷は危険であること、一度剥離骨折してしまうとその修復のために栄養が使われてしまって身長の伸びにも影響が出ること、身長を伸ばすために必要な栄養素などについて説明があった。

そして子どもの頃に最も成長するのが神経系であり、その時期に重要なのが『巧緻性』を伸ばすことだ。巧緻性とは、頭でイメージした動きを体で再現する能力のことである。この巧緻性は神経の発達が盛んな子どもの時期に伸ばす必要があり、大人になってからは大きく伸ばすことが難しいと言われている。アメリカではシーズンスポーツが取り入れられており、高校生、場合によっては大学生まで複数のスポーツを掛け持ちすることが一般的であるが、あらゆる運動を体験することによって巧緻性は高まると言われている。意外なことに社会主義国であるキューバでも同じような方針が取られており、かつて代表チームの主砲として活躍し、日本の中日でもプレーしたリナレスも13歳までは陸上選手として将来を嘱望されていたことなどが話された。

一方、日本では小学校の年代で野球チームに入ると、他のスポーツを本格的に経験する機会は一気に少なくなる。それだけ早くから野球に特化して取り組んでいれば、最初のうちに野球の技術が伸びることは間違いない。リトルリーグや中学野球で日本の代表チームが世界で結果を残していることにはそのような理由がある。しかし、高校、大学くらいになると徐々にアドバンテージがなくなり、最終的にはメジャーの一線級で活躍している選手はごく一部という結果になっているのだ。

そしてメジャーで活躍している選手達が優れているのが、前述した巧緻性である。高い巧緻性を持ちながら、後から野球に特化した技術や体力面が加わることで考えられないような凄いプレーが可能になっていると言えるのだ。

立花さんはメジャーでコーチをしていた経験やキューバ野球の視察から、20年以上前から少年野球世代に他のスポーツに取り組むことの重要性を訴え続けてきたという。しかし実際の学童野球、中学野球の現場ではそのことが浸透しておらず、現在では講演活動、普及活動に力を入れている。
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