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保護者に知ってもらいたい、子どもの体を守る「セルフチェック」(上半身編)

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少年野球の時期だけにとどまらず、子どもたちのプレーヤーとしてのキャリアを考えたときに、一番近くにいる保護者の方に子どもたちの肩や肘を守る方法を知ってもらいたい。そんな思いから、今回は横浜市青葉区を中心にさまざまな地域でも野球肘検診を実施されている、横浜総合病院 スポーツ整形外科の河崎賢三先生に、子どもの野球肘などを未然に防ぐセルフチェックなどについてお話を伺いました。




■受診をするなら水曜日?


野球肘や野球肩になる理由としてまず考えられるのが「投げすぎ」「投げ方が悪い」というものです。少年野球に対する投球制限の通達では「1日70球以内」と決められたため、ある程度の「投げすぎ」には歯止めがかかるかもしれませんが、これに加えて「いいフォーム」で投げた場合でも筋肉の張りなどが強く出ることがあります。

少年野球のスケジュールは土日に練習や試合を行うことが多く、土日に目一杯プレーをすることで月曜日に筋肉痛になることが想定されます。このときに痛みや違和感を覚えることもありますが、多くのチームでは月曜日が休養日になっているため、ノースローで様子をみることができます。翌日の火曜日の練習時にも月曜日と変わらず痛みがある場合は「何かおかしいから病院に行こう」ということで、保護者の方がお子さんを連れてスポーツ整形外科を受診にくるのが水曜日というパターンが多い印象があります。

月曜日、火曜日の2日間でお子さんのコンディションが回復したら、次の週末に投球を行って肩や肘の調子はどうかを確認するようにしてください。この2日間で改善しなければ病院で診てもらうというのがいいと思います。そうするとどうしても受診のタイミングが水曜日になりやすいため、横浜総合病院では外来日をあえて水曜日にも設定しています。

■自宅でできるセルフチェック(上半身編)


私が野球肘の検診を行っている横浜市青葉区では「肩肘検診手帳」というものを作成・配布しています。

手帳の中にはこの時期に特有のケガやその予防法、検診記録が書き込めるようになっており、自宅でできるセルフチェック項目も載せてあります。チェック項目は肩、肘だけにとどまらず上半身4項目、下半身4項目、計8項目になっています。
それぞれのチェックは練習や試合の翌朝がわかりやすいので、チームでウォームアップとセットで行ったり、自宅で鏡を見ながらチェックしてみると怪我の早期発見や予防につながると思います。

《セルフチェック・上半身4項目》

(1)肘は伸びますか?
両腕を肩の高さにまで上げ、肘を伸ばしたときに左右の伸び方は一緒ですか?





(2)肘は曲がりますか?
両腕を肩の高さにまで上げ、手が肩に着きますか?左右の曲がりは同じですか?



(3)肩は上がりますか?
横から肘(腕)が上がってきますか?左右の上がり方や高さは同じですか?肩に異常があると腕のみでなく肩全体が上がってしまいます。





(4)腕の感覚に違いがありますか?
両腕を頭の後ろにおき、そのまま1分程度その状態をキープします。左右の感覚に差はありますか? どちらか一方がしびれたり、冷たくなったりしますか?



肩や肘をチェックすると、関節そのものに機能的な問題があるのか、それとも筋肉や軟骨、骨の成長などによって何かしらの制限が出ているのかを確認することができます。肘の曲げ伸ばしがむずかしい場合は当日のスローイングを控えたり、ストレッチなどをして痛みや違和感などがないか、関節可動域(関節の動く範囲)の制限は改善されるかを再チェックしましょう。

また4つめの項目は肩を上げるときに痛みや違和感、しびれなどを覚える「胸郭出口症候群」のチェックです。胸郭出口症候群は腕を上げるときに神経や血管などが筋肉や骨などに挟まれて起こるもので、最近は野球肘や野球肩との関連性が指摘されるようになってきています。このテストを行うと正常な人では両手がほぼ同じような感覚になりますが、胸郭出口症候群が疑われる場合は投球側の手に感覚異常が見られます。早い人だと10〜15秒程度でしびれや冷感、痛みなどを感じるようになります。

後半では「下半身のセルフチェック」4項目を紹介します

(取材・写真・西村典子/監修・横浜総合病院 スポーツ整形外科 河崎賢三)
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