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「発育発達学に基づくコーチング〜年齢に応じた野球が上手くなる心と体の作り方〜」講演レポート(後編)

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小・中学時代のポジション固定はマイナス


早生れの子達にも希望はあります。プロ野球に入ると逆転するのです。

【生まれ月別のタイトル獲得者数】
4ー6月:8人
7ー9月:8人
10ー12月:13人
1ー3月:14人

なぜこのような逆転現象が起こるのでしょうか? 考えられる理由は3つあると勝亦先生はいいます。

・小、中学時代に試合に出られなかった悔しさを糧に努力を続けたから
・早熟の子達が過大に評価されてそのままプロに行った(あるいは故障を抱えていたり)
・早熟の子は技術ではなく自分の実力を過信していた

例えば、勝亦先生と早稲田大学で同級生だった和田毅投手(ソフトバンク)は中学2年までスコアラーだったそうです。その和田投手とチームメイトの千賀滉大投手も無名校から育成指名でプロに入ってから大きく花開きました。青木宣親選手(ヤクルト)も大学で一気に才能が花開きました。上沢直之投手(日本ハム)は中学から野球を始めてプロ野球選手になりました。ちなみに昨年のプレミア12では4−6月生まれのピッチャーは0人でした。

早生れの子達がプロで活躍していることは素晴らしいことです。しかし、ここで野球界の2つの問題点が見えてきます。

・早生れの子どもはプロでは活躍する傾向がある反面、前述の通り多くの子が野球を辞めている。
・早熟の子どもは高校までは活躍するけれどプロでは活躍できないケースも多い。

つまり、早生れの子も早熟な子も野球界はどちらも育成をうまく行えていないのです。

しかし、こういう状態だからこそできることもたくさんあります。例えば、球数制限の導入に伴ってチームでたくさんの子どもにピッチャーをやらせ、その子の将来の可能性を広げてあげること。小さい頃からその子のポジションや役割を固定しないことなどです。

野球人口が減少する現在、様々な選択肢の中からせっかく野球を選んでくれた子たちが野球を嫌いにならないように、指導に携わる大人たちは常に学び続けなければなりません。そんなことを考えさせられた勝亦先生の講演でした。(取材・写真:編集部)
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