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未就学児童と低学年を「野球好き」にする「北摂ベースボールアカデミー」の取り組み

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このアカデミーは、野球教室だけでなく「野球場開放」も行っている。

毎週水曜日、午前または午後の2時間。場所は同じ豊中市の千里北町公園野球場。

子供世代の「野球離れ」が止まらないのは、地域の公園のほとんどが「ボール遊び禁止」になったことが大きい。

かつての子供たちは学校が終わると、近所の空き地や公園で思い思いに野球ごっこをした。そんな中で野球、スポーツが好きになったのだが、今は自由にボールを投げたり打ったりする場所がほとんどない。これが、子どもたちに野球に親しむ機会を奪う結果になっているのだ。

「野球場開放」では、投げたり打ったりの指導はほとんど行わない。子供たちは、グラウンドに並べられたバットやグローブを思い思いに手にして、ボール投げをしたり、バットで打ったり、自由に遊んでいる。

植松コーチはネットを張ったり、ラインを引いたりするだけで、子どもたちに指導はしない。

子どもたちは、のどが渇けば思い思いに水筒の飲料を飲みにベンチに戻ってくる。

猛暑の中だけに、水分補給は重要だ。

後半になって、植松コーチは子供たちを2組に分けて、野球ゲームを行う。投手はなくて植松コーチが投げるボールを打ったり、ティーのボールを打ったりしてダイヤモンドを走る。審判、そして得点つけは植松コーチが担当する。

軽く2時間、子どもたちは夢中で駆け回って終了。「もっと遊びたい」という子供もいる。

「遊び足りない」くらいの気持ちにさせることが、大事なのだ。

こちらは月会費1000円

公園に遊びに行くような感覚で安全に野球が楽しめる場づくりを目指している。

植松コーチは語る。

「『野球場開放』は新しい試みです。昔の子供たちが遊んでいたような環境を、今の子供たちに合った形で整えようとしています。

新型コロナ禍で、僕たちの活動も一時中断したのですが、そのあとから申し込みが結構ありまして、初心者、野球する環境がなかった子のための環境づくりのニーズはあったのだと感じています。こちらのメンバーは8人です。ただ今年は8月中に学校が授業が始まった自治体があったので、今は全員揃っていません。

『野球教室』の方は14人です。こちらは指導者が教えるので、月謝もそれなりの額をいただいています。

来てくれている子の中には、アメリカ帰りで、野球ができる場所を探している子もいます。普通の野球チームも見たけど、ちょっと怖かったのでと言うお母さんもいました。

また3年生でチームに入ったけど、経験者と同じ練習をしなくてはならなくて、ボールが取れなくて怪我してしまった子なんかも来ています。

初めてやる子供に対して、小学校教員という経験と独自の工夫をすることで、サポートできているんではないでしょうか。

こういう試みをパイロットケースとして、全国の指導者に参考にしていただければと思います」

昔ながらの「野球指導」では、「野球離れ」を食い止めるのは難しい。昔の子供たちが夢中になった「野球遊び」をもう一度取り戻すような試みが必要なのだろう。

小さな取り組みだが、いろんな意味で重要な取り組みだと思う。

(取材・文/写真:濱岡章文)


 
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