ニュース

ダブルエントリー制|トータルテンボス藤田の「ハンパねえ!学童野球」

無断転載禁止

ダブルエントリー制


今回は人数の多いチームのお話です。
僕の知り合いが指導している中学硬式チームはどのチームも人数が多いです。3学年で100人を超えるチームも沢山あります。良い指導者の良い指導があり、勝ち抜く実績があり、野球強豪校に進学できるチャンスがあるという事で営業努力の賜物だと思いますし、そこは素晴らしい事だと思います。学生野球とは違って学校からの部費援助等が無い為、選手からの会費で運営しなければならないですから人数が多いほど運営費も捻出しやすくなりますし。子どもが集まる魅力的なチーム作りをする努力が大事になり、その努力をしているチームに子どもが集まるという至極単純なメカニズムだと思っています(地域の人口的な問題で人数の多くないチームも沢山ありますが)。

ただ、人数が多ければいいことばかりとも言い切れない面もあると思います。
中3の夏、シニアの日本選手権やボーイズのリポビタンカップ等のベンチ入りメンバーは25人だったり20人、ジャイアンツカップに関しては18人。選手数が140人のチームがあれば、3年生が40人だとして全員ベンチ入りは不可能です。3年生に限らず部員の100人がベンチ外です。厳しいですが、これが現実です。
これを覚悟して入団している選手もいるとは思いますが、少年野球を卒団した6年生の時点でそこまで考えている保護者や選手は少ないのではないでしょうか?

子どもそれぞれに異なる成長のピークがあります。
小学生で神童と呼ばれた子、スーパー中学生、超高校級……
でも、元巨人の上原浩治投手はドコにも当てはまりませんでした。凡小学球児、凡中学球児、凡高校球児でも野球が大好きだからもっと上手くなりたいから、その思いで浪人してまで大学でも野球を続け、最終的にワールドシリーズ胴上げ投手までなりました。20歳でアマチュアのピークが来たのです。高校で辞めてしまっていたら今の上原浩治はありませんでした。

という事は野球をずっと好きでいる気持ちが大事なのではないでしょうか?
もちろん、成功体験を得る事や挫折を味わう事はその後の社会に出て大切な事だと思います。社会は野球チームという環境よりもよっぽど理不尽で残酷でもありますから。

ソコでひとつ思った事があります。
メンバーから外れた子が違うリーグで試合に出れる、チームの「ダブルエントリー制」です。
例えば人数の多いシニアのチームがあったとして、日本選手権の予選メンバー(Aチーム)25人に選ばれなかった残りの3年生たち(Bチーム)でポニーリーグの予選にエントリーするのです(ポニーの関係者の方々すみません、下に見てるとかではなく中学硬式チームであれば何でも良いですが、後述する事があるのでポニーにさせていただきました)。

ここで、Aチームのメンバーに選ばれなかった子は挫折を味わうと思います。
でも、例えばAチームがシニアの予選で負けたけれど、ポニーにエントリーしたBチームは全国大会に出場しました!そんな逆転現象が生まれることもあり得ますよね?
Bチームの子ども達は挫折と成功体験を、Aチームの子ども達は成功体験と挫折を味わうことになります。
子ども達の事をファーストで考えるならばこの様な事があっても良いのかなぁ、と思います。

「そんな事は不可能だろ!」と思う方いらっしゃると思いますが、僕の知り合いで羽生さんという方がいまして、この方が千葉の香取市で「香取ベースボールアカデミー」という組織を立ち上げています。この組織には何と香取シニアと香取ポニーという違ったリーグのチームが存在しています。現実に今僕が考えていた事が可能だという事を示してくれているのです。これは1つのチームとしての運営では不可能ですが、母体がアカデミーという事で可能になった事です。羽生さん、メチャクチャ賢い!

もちろん、前代未聞な事なので反論もあると思います。でも日本野球の未来に向かっての素晴らしい試みだと思います!
全国の人数の多い名門チームの方々、子ども達の為に是非ご一考をお願いします!




▼プロフィール
藤田憲右(ふじた けんすけ)
吉本興業所属のお笑いコンビ「トータルテンボス」のツッコミ担当。静岡県御殿場市出身。高校時代は野球部のエースとして3年夏の静岡県大会で2試合連続1安打完封勝利も記録。人気バラエティ番組「アメトーーク」(テレビ朝日)の人気企画「高校野球大大大好き芸人」で披露した高校野球への愛情、造詣の深さは全国の野球ファンの間でも有名。2016年には「ハンパねぇ!高校野球」(小学館よしもと新書)も執筆しており、全国の野球指導者、選手との交友関係も広い。現在は息子の学童野球を応援する傍ら、色々な学童野球の現場を見て周り様々な情報発信や問題提議なども行っているほか、オンラインサロン「トータル藤田の野球教」も運営している。
ツイート シェア 送る

もっと読む

連載・コラム
カラダづくり
練習
お役立ち
チーム紹介
TOPICS