ニュース 2021.09.27. 19:52

【城東ベースボールクラブ】日本一3度の監督を招いて行われた練習

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9/11、12の二日間、城東ベースボールクラブ(以下、城東BC)が全国優勝3度の多賀少年野球クラブ(滋賀県多賀町)の辻正人監督を招いた練習会を実施しました。一体どんな練習が行われたのでしょうか? 二日目の練習が行われた東京都江戸川区にある小学校の校庭を尋ねました。




小さな子どもを指導する大人が一番重要


練習開始前、子ども達が口々に「聴く力、見る力、試す力......」となにやらブツブツ。聞けば前日の練習で辻監督から教えてもらった「練習で大切なこと」を復唱していたのだとか。

この日は4カ所に別れて正面のゴロ捕り練習からスタート。辻監督は3歳から1年生までの小さな子ども達のグループを担当。まず行われたのは下から転がすボールを子ども達がグローブで捕り、前方のかごまで走って入れるという練習。辻監督はボールが捕れた子どもには「天才やなー!」「上手やなぁ!」と大げさに褒めるものの、「もっと前に出て捕ろう」「ボールをしっかり見て」など技術的なことは特に言いません。
次に行われたのは、2人一組になり同時に転がってくる2つのボールをどちらが先にキャッチしてかごに入れるかを競うというゲーム性のある練習。子ども達はさっきよりも積極的にボールを捕りにいきます。ここでも辻監督は子ども達を大げさに褒めて盛り立てますが、特に細かな指導などはありませんでした。



辻監督は人の動かし方には二種類の言葉がけがあると言います。一つは強制的な言葉。もう一つは自発的に動かす言葉。
「『ゴロは前に出てきてキャッチするんや!』なんてこちらが指示をしなくても子ども達は自主的に前に出てきて捕るようになったでしょ? 指導者は(自分が何かを言おうとしている時は)いま、自分がどちらの言葉を使おうとしているのか考えてから言う必要があります」

また、自分が一番小さな子のグループを担当した理由についても、次のように説明してくれました。
「(子どもが野球を好きになるかどうかがかかっているのだから)このグループを指導する大人が一番大事。チームで一番優秀なコーチが見てあげるべきです」。



小さな子どもが上手くグローブを閉じるコツ


ゴロ捕り練習はボールを転がすスピードが早くなったり、バウンドさせたボールをキャッチしたり難易度も少しずつアップ。ですが、小さな子ども達のグループはワンバウンドのキャッチが上手くできません。そこで辻監督はグローブをはめた手をかごの上に出させ、そのグローブをめがけてワンバウンドのボールを投げていきます。こうすれば小さな子でも勝手にボールがグローブの中に入ってくるためワンバウンドキャッチの難易度がグッと下がります。しかし、それでも上手くグローブを閉じることができない子どもはボールを弾いてしまいます。

「『ボールを掴め』と言ってしまうと小さい子たちは(グローブの中で)ぎゅっとわし掴みをしようとしてしまいます。小さい子はそういう特性があるということをまず大人は分かってあげないとダメなんです」

そう話す辻監督は、子ども達のグローブを一旦外させました。素手の状態で小指と親指をくっつけたり、離したり。それを何度か繰り返させます。そしてもう一度グローブをはめさせると、今度はさっきよりもワンバウンドを上手く捕れる回数が増えました。
「えーー!! そんなことできるようになったんー!? 凄いな—!!」
ここでも大げさに褒める辻監督。子どもたちも白い歯を覗かせ、自分の番が回ってくるのを楽しみに待っているようでした。



次は転がってくるボールを横動きでキャッチする練習。ただボールをキャッチするだけではなく「ボールは爆弾。後ろに逸らすとドカーン!と爆発するで!」という設定。時折ボールを後ろに逸らすと「ドカーン!! いま爆発したでー!!」と辻監督。子どもたちは楽しそうにボールを追っていました。

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