ニュース 2021.11.02. 13:25

【少年野球お悩み相談】内野を守ると「声」が出なくなる息子

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【今回のお悩み】


内野を守ると「声」が出なくなる息子


内野守備の心構えについて質問です。
6年生が引退してから新チームでは息子がキャプテンを務めています。ポジションは主にピッチャーと外野をやっていますが、周りへ声を出すなどキャプテンとして頑張っています。
しかし、たまにファーストとサードを守ると別人のように声が出せなくなります。本人は「速い打球が来るから怖くて、声を出すことも頭になくなっちゃう」と話しています。
打球が来た時にはある程度こなせますし、野手からの送球を捕ることや自身の送球はそれなりにできますが、守っている時の存在感も声も無くなり、キャプテンどころか、チームの誰が見てもいるのかいないのか......という感じです。
「確かに速い打球は来るけど、声を出して恐怖心を無くすことはできるのでは」
「ミスは仕方ないけど声は誰にも出せる。足の速さじゃなくて、一塁まで全力で走ることができるのと同じじゃないかな」
などと話をしたりもしていますが、どうにも進歩がなさそうです。

ファーストもサードも頻繁にやるのではありません。でも他ポジションのように元気にやってる姿を見たいと思っています。
本人に元気に取り組んでもらうにはどのような方法がありますでしょうか?
自信がつけば良いのかとも考え、「練習で速いノックをたくさん受ける」「テニスボール等の柔らかいボールで速さに慣れる」等々考えておりますが、ぜひ、アドバイスをお願い致します。


【現役監督、野球パパたちからの回答】


そのポジションが好きでないのでは?


▼学童野球のA監督
そもそもですが「キャプテンだからこうしなきゃいけない!」というお父さんの気持ちが強くなってしまっていませんか?
私は学童期に「キャプテンはこうあでれ!」という考えには疑問を持っています。
投手や外野に比べてファースト、サードを守るときの姿がお子さん本来の姿でいられないのであれば、そのポジションが本人は好きではいのかもしれないですよね?
別のポジションを守ると本来のキャプテンの姿と変わってしまうようであれば、キャプテン以外の子ども達に、弱気になっているキャプテンを周りでフォローしてあげたり、気遣いをしたりするチームプレーをその子だけではなくチーム全体に伝えてあげる指導が好ましいのかと思います。
親として、お子さんの元気な姿を見たいというのも十分理解できます。でも、もう少しお子さんの根本にある「野球が好き」や「野球が楽しい」の部分を聞き取りしてあげても良いかと思います。

その子が1番力を発揮できるポジションを任せる


▼学童野球のパパ
「適材適所」という言葉があるようにそのポジションにも適正があると思います。
キャプテンをやりピッチャーもやっているその子は、そのチームでそれなりの力がある事が伺えるので色々なポジションにつかされるのだと想像できます。お子さんの技術的には学童野球では比較的重要なポジションであるファーストやサードを守ることも可能なのでしょう。でも性格的にそのポジションが向いていないのかもしれないですね。
僕が監督だったら、その子が1番力を発揮できるポジションを任せますし、本人がそのポジションをやりたいのかどうなのかも重要だとも思います(おそらくやりたくないのでは?)。
更にいえば、「声を出せ!」と言いますが、それに関してもどの声なのかが重要ですよね。
元気の良さをアピールする声、気持ちを全面に出す声、これは大事なのですが集中しながら声を出せる子とそうでない子もいると思います。
「声を出してる元気な子から使う」これこそ昭和の発想なのかと思ってしまいます。
フライが上がった時、アウトカウントの確認など、肝心な時に声を出せれなければ意味はないですし、ピッチャーに対しての労いの「ナイスピー!」や「落ち着いて」や、ミスした仲間に対する「どんまい」など、気づかいや勇気を与える声だけで良いと思います。守備での無意味な「バッチコーイ」とかはずっと疑問です。

「意味のある声」を子どもに教える


▼中学野球のB監督
緊張しているから声を出さずにしっかり準備をしている、その子のスタイルで良いではないですか。
「サードは元気が大事!」などと確かに言われますが、それよりもなぜ声を出すのか?
「意味のある声を出せ」と言ってもなかなか子どもはわからないと思います。
ですので私は小学生には具体的にこんな話をしてました。

(1)投手が投げて、次投げるまでに出す声
→確認、準備の声
→激励の声

【攻めるとき】
「ライナーバック」「ゴロGO」「アウトカウント、ボールカウント」「甘い球行くぞ!」「打てるぞ!」「取りに来るぞ」「思い切り!」などなど…
【守るとき】
「アウトカウント、ボールカウント」「フォースアウト、タッグアウトの確認」「フライ声かけような!」「まず1つアウト取ろう」「ピッチャー、いい球いってるぞ」「ピッチャー、リラックス」「走ってくるぞ」「外野カットまでな」
などなど…

(2)瞬間、判断の声
これは相手打者が打ったら出す声ですね。これが子どもには難しい。まずは飛んだ先を言う「ライト!」「サード!」のように。
次に「バックホーム!」など、指示に近い送球への声。中継のラインに対しての声もありますね「右、左、突いて!引け!ノー、カット、ストップ!などなど」

これを最初は大人が言う時期を決めて、最初はそれを真似していこうと言ってました。
しばらくしてからは子ども達だけで、声が止まってたら指導者から「確認しよう」「応援しよう」と声かけてあげる、そうやって覚えていく、とやってました。

以上、ご参考まで。

【アドバイス】


・学童期に「キャプテンはこうあでれ!」という考え方は必要ないのでは?
・本人がそのポジションをやりたいのかどうかを確認してみる
・「緊張しているから声を出さずにしっかり準備をしている」という見方もできるのでは?
・「声」と言っても「意味のない声」を出しても仕方がない

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