ニュース 2017.09.05. 17:10

大きなケガにつながる前のケガ予防セルフチェック

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痛みの程度が軽い場合はそのまま続けてプレーすることも可能ですが、違和感が残る、何か気になる…という場合、自宅でできるセルフチェックを行って確認するようにしましょう。「このままプレーをするとケガが悪化しそうだ」と思われるケースについてはすみやかに医療機関を受診するようにします。

●ケガの原因が思いあたりますか?

プレー前後に感じる痛みや違和感はいつから感じているのかということを確認します。明らかな原因、もしくは思い当たる明確な原因があり(打撲等)、痛みを感じてから数日という場合は練習後にRICE処置等を行い、これ以上痛みの程度が悪化しないようにして様子をみます(数日~1週間程度)。いつからかハッキリした期間がわからない、もしくは長期間にわたっている場合、練習量を減らすなど対策をとる必要があります。

●練習後に柔軟性と筋力をチェックをしよう

練習後にはクールダウンを行うことと思いますが、その際にはストレッチをしながら左右差を比較するようにしましょう。バッティングでは左右どちらかの回旋動作が動きやすく、反対側は動きにくいといったことが起こると思います。投球動作においても右投げであれば右肩と左肩の柔軟性には違いが出てくると思います。こうした違いをストレッチの中で確認するようにします。柔軟性とともに左右の筋力評価も行いましょう。特別な道具を用いなくても力の入り具合は左右同じか、片足立ちバランスで左右の足に違いがあるかといったことでも今の身体の状態を知ることが出来ます。

●痛みスケールを活用しよう

ある特定の部位に痛みを感じる場合は、しばらく「痛みスケール」を記録しておくとよいでしょう。スケールとはものさしのこと。一番痛い状態を「10」、痛みのない状態を「0」として、現在どの程度なのかを毎日練習後にチェックし、10段階評価で記録を残しておくと平常の自分と比較することができます。たとえば一番痛かった時期から一週間がたち、痛みの程度が「4」であれば、「痛みは半分以下になった」という指標として使えます。

●肩甲骨や関節部分の痛みは特に要注意

普段押しても痛くない部位なのに、「押すと痛みを感じる」ことがあります。投げすぎや走りすぎ等、繰り返しある一定の部分に大きな力が加わると痛みを感じるようになることがあります。練習後のクールダウンとあわせて、日頃から自分の身体を軽く押して痛みの有無を確認するようにしましょう。特に肘の内側や肩の前面、後面部、肩甲骨の周辺などは投球動作に伴って痛みを発症することが多いため、痛みがあるかどうか、痛みが強くなっていないかどうかをチェックします。いつもよりも痛みを感じる程度が強い場合はしばらく投球動作を控えるようにしましょう。

著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
東海大学スポーツ教育センター所属、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナー。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS, NSCA-CPT。学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
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