褒めることで子どもは伸びる
近年、指導者の意識改革が進んでいるといわれるが、未だに多くの指導者が根性論を唱え、高圧的な態度を取ることで子どもたちを委縮させてしまっているケースが多い。城東ボーイズを率いる鹿島監督もこのような指導について警鐘を鳴らす。「少年野球・中学野球でも指導者が勝ちたいという思いが強すぎて、理想通りにならないとつい怒ってしまうことがあります。でも、子どもたちにとってはこの年代で優勝することがゴールではありません。僕ら大人は昔ながらの指導方針でたまたま野球をやり続けただけで、全て正しかったとは思えませんね」。
怒られたことを引きずったまま、次のステージに進むことは成長に歯止めをかけてしまう恐れがある。鹿島監督は幼児指導を10年間続けたことである答えにたどり着いた。
「子どもの力を最大限に引き出してあげるには褒めることが大切です。幼稚園で体操の先生を10年間やりましたが、園児は褒めるだけで凄いペースで成長していきます。また褒めてもらいたいから同じこと繰り返す。そうやっていくことで体が自然と覚えるんです。年代によって表現の仕方は変わりますが、小学生や中学生だって褒めると照れはしますが内心嬉しいわけです」。
褒めても何も感情表現できない子どもというのは、小さいときから監督・両親に怒られないために野球を続けているケースが多い。しかし、指導者が諦めずに褒め続けることが子どもの自信に繋がり、人間的・技術的な成長になると鹿島監督は信じている。