ボールを使った練習では必ず『スパイク着用』を
この季節はランニングやサーキットトレーニングなど、基礎体力向上のためのメニューが増えるチームが多いと思います。昔は「冬はボールに触らない」というチームも多かったですが、最近ではボールを使った練習と並行して基礎体力向上を図るチームが増えているように思います。
私も「バットスイング」「守備体勢」など、基礎技術向上を図るには良いシーズンだと思いますので、ボールを使った練習を並行させることに賛成です。何を隠そう、私自身が冬にボールを使わない練習が嫌いでした。自分が嫌だったことを選手に押し付けるのはどうも気が引けます。やっぱり練習は厳しくも楽しくやらなくては。
トレーニング時に履いていたジョギングシューズのままで守備や打撃などの練習を行うチームが散見されます。私は野球の技術練習を行う際には必ずスパイクを履いて欲しいと思っています。
野球は「動く」と同じくらい「止まる」が重要です。
小刻みな切り返しを行いながら動きたい方向に素早く動く。そして止まって次の動作へ素早く移行する。この動作の繰り返しです。特に小学校のグラウンドを使用しているケースの多い学童野球では、グラウンドは固く、ジョギングシューズだと滑りがちです。足でしっかり地面を掴み、踏ん張りを効かせて次の動作に移行することは技術向上だけでなく、怪我を防止するためにも必要なことです。特に底の厚いジョギングシューズを履いている場合、アスファルトの上を走る時には踵などへの衝撃を吸収する効果があるものの、横の動きに対して膝が揺れるために膝の靭帯を痛める選手も出ます。
私自身も高校時代に膝を怪我した経験があるので、打撃投手の時や守備に就く時には必ずスパイクを履くようにしています。
野球選手は膝の内側に力を入れる場面が多く、ジョギングシューズでその動作を繰り返していると靴も内側からすり減っていきます。その結果膝の内側に負担がかかり易くなり、鵞足炎を患うケースも見受けられます。そして何よりも「試合のための練習」です。試合に近いコンディションで練習しましょう。
体力や技術を向上させるための練習です。怪我で離脱してしまってはせっかく鍛えた体力も、磨いてきた技術も無駄になってしまいます。怪我に気をつけて練習に励んで頂きたいです。
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著者プロフィール
著者:廣川寿(ひろかわひさし)愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。