――指導者にとってはなかなか耳の痛い話ですね。
「勝つために厳しくやると、どんどん指示待ちになるんですよ。あれをやりなさい、これをやりなさいと言われ続けると、どうしても次は何をすればいいですか?という発想になる。だから指導者の方にはなるべくあれこれ口を出さずに、見守ってもらいたいです。最初は上手くいかないと思いますけど、すぐにできるようになります。よく私が少年野球の指導者の方には『極めようとするのではなく、わきまえるようにしてください』という話をしています。子ども達にとって何が本当に大切なのかは常に考えるようにしてもらいたいですね」
指導者としてだけでなく、研究者としても多くの事例に精通している川村監督だけにその話は非常に説得力のあるものだった。また単純な知識だけでなく、実際に少年野球の現場に関わっていることも話の重みに繋がってることは間違いないだろう。育成年代の野球の指導には様々な考え方があることは確かだが、「子ども達にとって何が本当に大切なのかを常に考える」という姿勢は全ての指導者が持つべきものだということを改めて考えさせられた。
1970年生まれ。北海道出身。札幌開成高校の3年時には主将として夏の甲子園に出場。筑波大学大学院体育研究科修了後、浜頓別高校での指導を経て2000年に筑波大の硬式野球部の監督に就任。現在は准教授としてコーチング、動作分析の研究の傍ら、野球の普及活動にも携わっている。
「勝つために厳しくやると、どんどん指示待ちになるんですよ。あれをやりなさい、これをやりなさいと言われ続けると、どうしても次は何をすればいいですか?という発想になる。だから指導者の方にはなるべくあれこれ口を出さずに、見守ってもらいたいです。最初は上手くいかないと思いますけど、すぐにできるようになります。よく私が少年野球の指導者の方には『極めようとするのではなく、わきまえるようにしてください』という話をしています。子ども達にとって何が本当に大切なのかは常に考えるようにしてもらいたいですね」
指導者としてだけでなく、研究者としても多くの事例に精通している川村監督だけにその話は非常に説得力のあるものだった。また単純な知識だけでなく、実際に少年野球の現場に関わっていることも話の重みに繋がってることは間違いないだろう。育成年代の野球の指導には様々な考え方があることは確かだが、「子ども達にとって何が本当に大切なのかを常に考える」という姿勢は全ての指導者が持つべきものだということを改めて考えさせられた。
プロフィール
川村卓(かわむら たかし)1970年生まれ。北海道出身。札幌開成高校の3年時には主将として夏の甲子園に出場。筑波大学大学院体育研究科修了後、浜頓別高校での指導を経て2000年に筑波大の硬式野球部の監督に就任。現在は准教授としてコーチング、動作分析の研究の傍ら、野球の普及活動にも携わっている。