ニュース 2018.03.28. 12:01

「松坂世代最強の長距離砲」が取り組む、野球の楽しさを伝える小さな活動

最後に行われたのは、古木チーム、野々垣チームに分かれて行われた、三振なし、5アウトルールの紅白戦。ここでも、バッティングについては古木さんが一般的なバットの握り方と「こんな風に構えて、ここ(トップの位置)で一回止まるような感じで振ってみましょう」と簡単に説明を行ったのみ。型にはめた打ち方を教えるのではなく、とにかく思いっきり振って、カッ飛ばしてバッティングを楽しみましょう、というスタンスで行われた。





ちなみに、この日一番湧き上がったのは、満を持して打席に立った古木さんが、まさかのドン詰まりのファーストゴロに倒れた場面。これには子どもも大人も大笑い、古木さんもどこか悔しげな表情。



紅白戦の終盤、こんな場面があった。グラウンド利用の終了時刻が迫り、次に使う人たちが集まり始めた頃、ピッチャーをしていた小学生の男の子がストライクを投げられず試合が進まない。見かねた古木さんがピッチャー交代を告げ野々垣さんがマウンドに上がると、再び試合は進み始めた。この回が終わり、ベンチへ戻ると古木さんはすぐに男の子のもとへ駆けつけ、「ごめんな。時間がなかっただけだから、全然悪くないから。気にしなくていいから。ナイスピッチングだったよ」と優しく声をかけていた。「野球で嫌な思いもしてきた」という古木さんらしい、子どもに対する細やかな心遣いだった。





このイベントの参加費は子どもは無料、大人は2000円(「baseball surfer」のTシャツ着用者は1000円)。子どもが気軽に野球に触れることが難しくなった都心において、このような活動はとても貴重だ。このような活動が全国にもっと広がることを願わずにいられない。

(取材・撮影:永松欣也)

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