(1)足の動作を確認しよう
速く走るという動作を分析すると「足の回転数を上げる」ということと「一歩一歩の歩幅(ストライド)をひろげる」ことを掛け合わせることによって、今までよりも速く走ることが出来るようになります。足の回転数を上げるためにはムダのない動きが必要となるのですが、地面についた足が後ろに流れてしまわないように股関節の前側にある腸腰筋(ちょうようきん)を意識した走り方を心がけましょう。(2)上半身は前傾姿勢を意識して
身体を起こした状態よりも、身体を斜めに倒した前傾姿勢の方が空気抵抗はより少なくなり、速く走ることができます。長く走っているとどうしても身体は起き上がってしまいますが、スタート時にはなるべく低い体勢を保つようにし、腰よりも前方に上体がくるイメージで走るようにしましょう。【壁際で腿上げ練習】
腿上げは腸腰筋を意識して行うトレーニングです。特に壁にもたれながら角度をつけて行うと身体の前傾姿勢をイメージすることにも役立ちます。地面に足全体を押しつけて、その力で壁を押すつもりで行うとよいでしょう。このとき、後ろから見て足の底が見えるようでは動きのロスが生まれてしまいます。空き缶を足底全体で押しつぶすイメージで行いましょう。
(3)腕振りはピッチを上げるのに役立つ
意外と忘れがちなのが腕振りの動作です。腕が速く振れるようになれば、それに連動して足も速く動くようになります。肩の力を抜きつつ、脇を締めてしっかり腕を振るように意識しましょう。このときは肘を軽く曲げ、手は卵を握るように軽くこぶしを作っておくようにします。腕を引く意識が強すぎると肩の位置が前後にブレてしまい、身体を左右に振りながら走ってしまうようになるので注意しましょう。力感のあるランニングフォームは走りながらブレーキを踏み、力のロスをうんでいるようなもの。地面からの力の伝達を無駄なく伝えるためにも「足の動作」「上半身の姿勢」「腕振り」の3つを意識してみてくださいね。
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著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。