今回の質問
「カーブの投げ方を教えてください」
この春から中学生の息子(軟式でピッチャーをしてします)が、「中学では流石にストレート1本では通用しない」と考え、変化球の中でも肩・肘への負担が少ないと言われているカーブの習得を目指しています。ですが、これが思いの外難しくて苦戦しているようです。
息子は右のオーバーハンドですが、カーブの時は曲げたい意識が強いあまり、肘が大きく下がってサイドスローのようになり、無理くり手首を捻って投げています。見ているだけで肘を壊しそうで怖いです。
本人も顧問や先輩から教わったり、youtubeなどで色々調べて試行錯誤してるようなのですが、これまであんまりしっくりくる「カーブの投げ方」に出会ってないようです。
カーブ以外の変化球を習得した方が良いのかなとも思うのですが、まだ体も細く未発達なので肩・肘を壊しそうで怖いです。カーブの投げ方を分かりやすく教えていただけませんでしょうか?(40代 男性)
廣川さんの答え
最近の野球で最もポピュラーな球種はスライダーだと思います。あとチェンジアップを投げる投手も多いですね。特に肩肘への負担からチェンジアップの習得を勧める指導者が増えています。
私は現在、中学硬式野球チームで投手コーチをしています。
大半は学童軟式野球から上がってきた選手を指導する訳ですが、私は一番最初に覚える変化球として「カーブ」を教えます。カーブには以下のメリットがあると思うからです。
●正しく投げると肩肘への負担が少ない
●正しいカーブを習得するとストレートの球質向上に効果がある
●他の変化球とは全く異なる軌道のため、投球に幅ができる
今回はこのことについて書きたいと思います。
投手によっては「手首を捻る」「指で弾く」ことで回転をかけるという人もいます。これは個人的な意見ですが、捻ると確かに強い回転がかかるのですが、リリースが不安定になって制球の難易度が上がる上に肘への負担が高まるので、私は捻らないように教えています。
*「ご用件」に「少年野球質問箱」と書いて、廣川さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。
【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数。
私は現在、中学硬式野球チームで投手コーチをしています。
大半は学童軟式野球から上がってきた選手を指導する訳ですが、私は一番最初に覚える変化球として「カーブ」を教えます。カーブには以下のメリットがあると思うからです。
●正しく投げると肩肘への負担が少ない
●正しいカーブを習得するとストレートの球質向上に効果がある
●他の変化球とは全く異なる軌道のため、投球に幅ができる
今回はこのことについて書きたいと思います。
(1)なぜカーブは正しく投げると肩肘への負担が少ないか?
「カーブは捻る時に肘への負担が大きい」という声を聞きますが、カーブは捻らなくても投げられる球種です。というより手首の角度を除けば腕の振りはほとんどストレートと同じです。リリースの時に手首を立てればストレート、手首を内側に寝かせるとカーブ、それだけの違いです。投手によっては「手首を捻る」「指で弾く」ことで回転をかけるという人もいます。これは個人的な意見ですが、捻ると確かに強い回転がかかるのですが、リリースが不安定になって制球の難易度が上がる上に肘への負担が高まるので、私は捻らないように教えています。
なぜカーブを投げるとストレートの球質が向上するのか?
カーブはリリースの時に強い回転をかけることで大きく落ちるのですが、強い回転をかけるコツは「捻り」ではなく、「腕の前振りの大きさ」です。前方向に大きく腕を振れるほど、円弧が大きくなり、同じ腕の振りの速さでもリリース時に強い回転がかかります。カーブを大きく曲げるには腕を前に大きく振ることが重要で、それが球持ちの長さに繋がり、ストレートの球質向上にも効果をもたらします。私が指導する投手には春先に60%くらいの力感でカーブを投げる練習をさせますが、一様にストレートのキレが良くなる効果が見られます。(3)カーブは他の変化球と何が違うのか?
カーブは他の変化球と根本的に違う要素があります。それは「リリースの時に指がボールよりも前に来る唯一の球種であること」です。他の変化球は「如何にストレートっぽく見せるか?」が重要になりますが、カーブは他の球種とは全く異なる軌道のボールを打者に見せることで、次に投げる球をより効果的に見せることが可能になります。*「ご用件」に「少年野球質問箱」と書いて、廣川さんに教えて欲しい悩みや疑問をお送りください。
「廣川さん」プロフィール
廣川寿(ひろかわ ひさし)1969年生まれ。愛媛県出身。全国約7,000人の野球指導者及び保護者から絶大な支持を得ているFacebookページ「少年野球指導者のひとり言」管理人。【球歴】
えひめ西(現松山)、リトルリーグ、愛媛県立松山北高等学校、甲南大学(阪神大学野球連盟)、リクルート(社会人野球東京支部)
【受賞歴】
■リトルリーグ
-四国大会優勝
■高校野球
-愛媛県中予地区新人戦優勝
-秋季愛媛県大会準優勝(四国大会出場)
-第59回選抜高等学校野球大会出場
■大学野球
-阪神大学野球連盟2部リーグ最優秀投手賞
(→1部昇格)
-阪神大学野球連盟特別賞(3度)
・1試合最多奪三振記録樹立(18個/当時)
・通算最多奪三振記録樹立(351個/当時)
・通算最多登板記録樹立(57試合/当時)
-学生日本代表候補選手選出 など
【野球指導歴】
-学童野球コーチ
-中学硬式野球チームコーチ・監督
-その他高校・社会人野球臨時コーチなど多数。