ニュース 2018.06.11. 17:46

【湘南ボーイズ】2年生のノックで感じた「3つ」の湘南ボーイズらしさ

3つの湘南ボーイズらしさ

 小田急線・湘南台駅に着くと、湘南ボーイズの田代栄次監督が車で迎えに来てくれた。
「2年生が練習している場所に行きますか?」

 1学年60名近い部員数を誇る湘南ボーイズは、学年別で活動していて、3学年一緒に動くことはほぼない。取材当日(5月の木曜日)は2年生、1年生が別々の場所で練習をして、3年生はクラブハウス(藤沢市善行)で勉強をする日になっていた。大所帯のクラブチームならではの運営方法といえるだろう。

 湘南台駅・六会日大から自転車で10分ほどのところにある、桐原公園野球場が2年生の練習場だ。学校が終わってから、グラウンドに着いたものから練習が始まり(16時半頃)、1時間もすれば全員が揃う。

 グラウンドでは、トスバッティングが行われていた。選手が手にしていたのは、竹バット(トレーニングバット)だった。
「入団するときに、ひとり1本、トレーニングバットを買って、トス、ティーバッティング、素振りではこれを使います。1年生にはまだ重いですけど、振っていくうちに慣れていく感じはありますね」



 この時期の2年生に求めているのは、「甘い変化球に手を出すこと」。1年のときは、「バットが届くところは全部振っていく」からスタートし、基本的にはストレートを強く打ち返すことを主眼に置く。これが2年生になると、ストレート狙いのなかでも甘い変化球を振る対応力が求められてくる。
「アウトになってもいいので、変化球に手を出していく。中学生のときからこのクセをつけておかないと、高校になっても変化球を振れなくなってしまいます」

 トスのあとは、シートノックに入った。ノックを打つのは、湘南ボーイズのOBであり、田代栄次監督と同じ、東海大相模出身の佐藤全志コーチだ。2年生の指導を任されている。

 ノックで感じた、湘南ボーイズらしさが3点ある。

1.「声」に対する意識の高さ
2.ポジションにつくまでの全力疾走のスピード
3.送球の強さ

 まずは、声。この日はカットプレーや挟殺プレーを中心に行われていたが、カットに入る野手の声が小さいと、佐藤コーチから「呼ぶ声が小さい!」と厳しい指摘が入っていた。タッチプレーのときは、野手が「アウト!」と大きな声でアピール。こうした声が、活気ある雰囲気を生み出していた。
「野球をやるうえでの基本的なことですよね。指示の声を大きく出す。2年生は実戦を積み重ねるなかで、野球を覚えていく時期になります」

 ポジションにいくまでの全力疾走も、田代監督からしてみれば「基本的なこと」。グラウンドを歩くような選手は、誰もいなかった。全力で走っておけば、短距離ダッシュをやっているのと同じことにもなる。限られた時間を、わざわざトレーニングにあてなくても済むわけだ。

 そして、3つ目が送球の強さ。フワッと緩い球を投げる選手は誰もいない。悪送球を恐れずに、しっかりと腕を振っていた。
「練習のときから腕を振って、ちゃんと投げておかないと、公式戦ではびびってミスをします。大事にいこうと思いすぎて、腕が振れなくなってしまう。ここは結構大事にしています」

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