夏になるとどうしてもコンディションが落ちてしまう…という選手も少なくありません。暑い時期にハードな練習を積み重ねていると疲れもたまりやすいでしょう。この時期のコンディション不良を一般的には「夏バテ」とも呼びますが、暑さによって自律神経系が乱れることも一つの要因と言われています。野球選手が気をつけたい夏の体調管理について、まずは「環境」によるものへの対応について確認してみましょう。
日射しと紫外線対策
野球の練習や試合などでは直射日光にさらされる機会も多くなります。帽子や長袖のアンダーシャツなどである程度カバーはできるものの、長時間にわたって紫外線を浴びるといわゆる「日焼け」が起こります。日焼けは皮膚の軽い火傷状態であり、炎症症状を起こして赤く火照ったり、ひどいときには水ぶくれが出来てしまったりします。また皮膚へのダメージだけではなく紫外線によって大量の活性酸素が発生すると、細胞を傷つけて疲労物質を生み出すといわれています。皮膚が露出しているところには市販の日焼け止めを使って皮膚を保護し、休憩時間などは必ず日陰で過ごすなど、日光にさらされる時間をなるべく少なくしましょう。冷房対策
現代は空調設備が整い、部屋の中の温度と外気温の差が大きくなりがちです。特に炎天下のグランドから急に涼しい室内に直行してしまうと、汗が急激に冷えて夏風邪の原因になったり、自律神経が乱れて体温調節がうまく働かなかったりといったことが起こります。外気温と室温の差を5度以内に設定し、冷房の温度設定は28度程度にしておきましょう。また扇風機を天井方面に向け、部屋の空気を循環させるように利用すると室温以上に涼しさを感じることができます。このとき直接体に風が当たると、体の表面の熱が奪われつづけて疲労してしまうので体には直接冷気を当てないようにします。寝苦しい夜への対策
熱帯夜など気温の高い日は「暑くて眠れない…」ということがあるかもしれませんが、朝まで冷房をつけっぱなしにしてしまうと体が冷えすぎて体調を崩しやすくなります。クーラーのタイマー機能や除湿モード、扇風機などと組み合わせて、体に負担のない程度の室温に設定して過ごすようにしましょう。著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。