ニュース 2018.10.23. 14:46

高校入学までに中学球児が準備すべきこと|ボールの違いと体力

中学野球を引退した日が高校野球のスタート

「野球で高校の推薦が決まっている子も、これから受験を迎える子も。中3秋~冬は野球から離れている季節。遊び優先の選手もいると思いますが、そういう選手たちに言いたいですね。『中学野球を引退したその日から、高校野球へのスタートが始まっているんだよ』ってね」。
 
 福岡で野球塾「悟塾」を運営している西村悟塾長(35)は、高校野球に進む中学生たちに語りかけるように話しました。現在、県内4カ所の野球施設で小学生以上を対象に週1~2回の野球教室を開いている塾長。1クラス10人以下の少数指導にこだわり、100人以上に指導をしています。小学生の学童野球、そして中学野球(軟式・硬式)の多くは、小6、中3の夏にチームを引退します。悟塾は、秋から指導を求める選手であふれるそうです。
 
「学童から中学野球へ」、「中学野球から高校野球へ」。
チームが移行する大きな節目に、自分自身をレベルアップさせたいという選手と保護者が多いからなんだとか。
「野球を練習する場所がないからだとも思います。スクールに来れば、思い切り体を動かせる。打撃練習ができる。野球の感覚はブランクを空けないことが1番大事なんです」。
 
高校野球に移行するときに、1番ネックになるのは「ボールの違い」ではないでしょうか。高校野球は「硬式球」を使うため、中学の軟式野球部(または軟式クラブチーム)に入っていた中学生の多くは「硬式球の壁」に当たると言われています。ボール、バットの重さも重くなり、甲子園を目指すための高い意識も求められます。高校入学後すぐにケガをしてしまう選手は引退後の準備不足が原因になっていることが多いようです。
 
「軟式も硬式も、正しい技術があれば一緒。差はありません。ただ、硬式をやってきた子のほうが意識は高い。チームメートのレベルも高いので『もまれてきている』という印象があります。だからといって軟式の子が劣っているというわけではありません。ボールが変わるぶん『伸びしろ』が凄いんです。難しい軟式の球を扱ってきたぶん、硬式の球は簡単に感じると思います。入学してからガーンと伸びるのは、軟式の子のほうです」。
 
軟式出身の選手にとっては励みになる話ですね。ゴムで覆われている軟式球のバウンドや「飛びにくさ」に対応してきた選手たちは、硬式でまず「自分の伸びしろ」に自信を楽しむことから始めるのがいいかもしれません。

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