【肩の側面(棘上筋/きょくじょうきん)】
トレーニングを行う側の腕に抵抗としてチューブをかけ、肩が60〜70°程度になるまであげます。このとき肩の側方を意識して行うようにしましょう。回数は20回程度、セット数は2〜3セットを目安とします。
腕にチューブをかける理由としては、なるべく筋肉(棘上筋)の近くに軽い負荷で抵抗をかけたいためです。
チューブを足で押さえて側方にひっぱる動作やダンベルを使った動作でももちろん棘上筋は鍛えられますが、腕の長さの分だけ抵抗が大きくなってしまい、インナーマッスル以外の筋肉も動員してしまうことにつながります。
負荷はなるべく近いところにかけたほうがよりトレーニング効果が見込めるため、この場合はチューブの代わりに誰かに徒手抵抗をかけてもらうことでもトレーニングを行うことができます。
インナーマッスルの機能が低下してくると、肩関節のジョイント部分(肩甲骨と上腕骨をつなぎとめておくところ)が不安定になります。
この状態で肩に大きな負担がかかると肩のインピンジメント(筋肉が挟み込まれて痛みの出る状態)が起こったり、上腕骨頭が前方にシフトして肩の前側に痛みが出たりすることがあります。
特に、
・上半身に負担のかかる投球フォーム
・投球動作を繰り返すこと、特に連投など
は肩に大きな負担をかけやすいため、こうした原因を取り除くとともに、肩のインナーマッスルを正しく鍛えることがケガ予防には不可欠です。
正しい知識とトレーニング方法で肩の安定性を高め、肩関節のケガ予防やコンディショニングに役立ててもらえると嬉しいです。
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。