中学軟式王国・相模原を引っ張る指揮官
全国有数の中学軟式野球王国――。それが、神奈川県相模原市である。1990年代後半以降、東林中、上溝中、内出中、大野南中、大野台中、大沢中が全国の舞台を踏み、2005年には上溝中が夏の全日本少年軟式野球大会で全国制覇を果たした。来春、静岡で行われる全日本少年軟式野球には、秋の県大会を制した大野北中が出場することが決まっている。
巨人のエースとして圧倒的な存在感を見せている菅野智之投手も、相模原市の新町中の出身。中学3年生(2004年)のときには夏の神奈川大会で優勝を遂げ、関東大会ベスト8にまで勝ち進んだ。このときチームを率いていたのが、大学を卒業して1年目、まだ22歳の若き指揮官・内藤博洋監督だった。
菅野投手とのやり取りの中で、今でも覚えていることがある。
「『県大会優勝を目指そう』と言ったら、菅野が『先生、ぼくたちは全国大会での優勝を目指しています』と言い返してきました。勝利に対して貪欲な集団でした」
日本一を目指すのが当たり前。目標の場所が高いのが相模原の強さのひとつと言える。
その後、内藤監督は2014年に大沢中を率いて、全国中学校軟式野球大会でベスト8進出。2015年から相陽中に移ると、春の神奈川大会で2度のベスト4入りを果たすなど、全国大会を狙えるチームを作り上げている。