ニュース 2018.11.16. 12:27

【今、野球と子供は。】壊滅的な中学部活の軟式野球

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壊滅的な中学部活の軟式野球


中学軟式野球部の競技人口の減少が顕著になったのは、2010年頃からだ。それまでも部員数は伸び悩んでいたが、これは少子化のためだと思われていた。しかし、この時期から競技人口は毎年、数パーセントも減少している。2008年以降の軟式野球部の男子部員数の推移。




10年前の2009年、30万人を超えていた男子野球部員は、今年17万人を切った。わずか10年で45%もの減少。まさに激減と言ってよいだろう。

サッカーなど他のスポーツの台頭と指導者の高齢化


その最大の要因は「子どもたちの選択肢が増えた」ことだろう。
1993年にJリーグが発足してから、サッカー人気が高まった。1998年のフランス、ワールドカップに日本代表が初出場してから、世界のサッカーを目指す少年が増えた。
またJリーグや日本サッカー協会は、ワールドカップなどの収益を普及活動に投入し、全国的な底辺拡大の取り組みが推進された。
これまで、日本の子供は誰から教えられることもなく野球のルールを覚え、野球をするのが当たり前だったが、ここにサッカーという競争相手が登場したのだ。
さらにバスケットボールもBリーグが発足し、人気が高まっている。
子供に一番人気のあるスポーツは、今ではサッカーとなり、野球はバスケットボールと2位を争っている。



さらに言えば、野球指導者の高齢化、後継者不足の問題もある。サッカーの場合、少年を指導するためにはライセンスが必要だ。サッカーは競技人口が増えているので、指導者になりたい人も多く、ライセンスを取得した若い指導者が少年を指導している。
しかし野球には明確なライセンスや資格がなく、永年一人の指導者が始動を続けることが多かった。後継者が育っていないケースが全国で、みられるようになった。このため多くの中学校で「野球をやりたい子供がいても指導者がいない」事態が発生している。これが、部員数の減少に拍車をかけている。

 


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