成長線(骨端線)が見られる
骨は骨の端にある骨端部(こったんぶ)と骨の中心にある骨幹部(こっかんぶ)から成り立っていますが、成長期には骨端部に骨端線とよばれる成長線が存在します。これはレントゲンなどでもハッキリと確認することができます。この線が見られる時期の骨端部には成長軟骨が存在し、古くなった骨を入れ替えて新しい骨へと作りかえる働きを繰り返しています。新しい骨は骨端線に沿って成長をするため、この骨端線が確認できる間は骨が成長していることを示しています。
ただし、成長を続けている骨は大人のものと比べると柔らかく、体を支える機能も未熟であるため、激しい運動や繰り返される外力などによって、傷ついたり変形したりしてケガをしやすいということを覚えておきましょう。
自然治癒力が高い
成長期の骨は柔らかく、外力に弱いことがその特徴として挙げられますが、一方で成長をうながすために新陳代謝のサイクルが早く、大人と比べて自然治癒力が高いことも特徴の1つです。自然治癒力が高いことはいいことでもあるのですが、たとえば骨折した部位を変形したまましばらく放置してしまうと、変形したまま骨がくっついてしまい(骨癒合:こつゆごう)、関節の動きが悪くなるといった機能的な問題が残ってしまうことがあるので注意が必要です。
柔軟性が低下する
成長痛という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、成長期では骨とその周辺部に痛みが出やすいことが知られています。これは骨と筋肉や腱などの成長スピードに時間差(タイムラグ)が見られることで起こるといわれています。骨の成長は比較的早期から現れるのに対し、筋肉や腱などは骨よりも遅れて成長するため、骨の成長スピードに筋肉や腱などが追いつかず、強く引っ張られた(ゴムが引き伸ばされたような)状態を強いられることになります。このような状態で激しい運動を続けると体の柔軟性が低下するだけではなく、筋肉や腱を傷めてケガをしてしまうことにもなります。
成長期の選手たちは体が硬い状態であるということを大人である指導者や保護者の方が理解し、体力レベルにあった練習内容や練習量、ケガを予防するためのストレッチなどを普段から習慣として行うことを心がけましょう。
こちらでも詳しく紹介されています!
■タイトル:「基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング」
■発行元:日本文芸社
■著者:西村典子
■価格:1728円
■頁数:256頁
著者プロフィール
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。