ニュース 2018.12.05. 14:00

口呼吸から鼻呼吸へ。鼻呼吸で風邪を防ごう!

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鼻呼吸で風邪を防ごう!

鼻呼吸は病気から体を守る

口を閉じて、鼻で呼吸する鼻呼吸では、空気が鼻の中を通って肺へと運ばれます。
鼻の中では鼻毛やさらに細かい線毛、そしてそこに流れている粘液などがフィルターの役割を果たし、ウイルスや花粉を始めとする異物の多くは、まずここのバリアによって鼻水と一緒に体外に排出されます。
さらに鼻の中を通ることで、空気は温められ湿度を含むようになります。
感染症の原因となるウイルスは乾燥状態を好むため、湿度の高い温かい空気中では活発な活動が抑えられることになります。
また喉の奥には、免疫機能を司どる扁桃リンパ組織というバリア機能があり、ここでも体内に異物が入ることを防ぎます。
鼻呼吸は複数のフィルターとウイルスなどの不活性化という機能を持つ呼吸方法であると言えるでしょう。

口呼吸は病気を引き起こす

一方、口呼吸では、鼻呼吸の持つバリア機能や、ウイルスなどが不活性化するような空気の温度・湿度を保つことができません。
呼吸によって口から取り込まれた空気も鼻呼吸と同様に喉の奥にある扁桃リンパ組織が最後の砦として対抗しますが、あらかじめ鼻で排除できる異物がそのまま直接喉に入ってくると、対応しきれなくなる場合があります。
感染症は病原菌との接触、空気感染、免疫力の低下など条件がそろったところで発症すると言われています。
口呼吸はそのリスクを高めやすくなると考えましょう。

鼻がつまったときは

一時的に鼻がつまっているときはどうしても口呼吸になってしまいますが、鼻の周辺に蒸しタオルなどをあてて温める鼻カイロや、風邪や花粉症対策などでよく用いられる鼻うがいなどを行ってみましょう。
鼻の通りが改善する場合があります。
寝ている間に口呼吸になってしまうという場合は、マスクを活用することも検討してみましょう。メーカーによっては就寝用のマスクなども販売されています(マスクによって空気が温められ、ウイルスなどの異物を排除する。
ただし呼吸がつらい場合はムリをしないように)。
また鼻づまりが気になって寝つけない時は、鼻づまりが起こっている鼻の穴とは反対側を下にして、横向きにして寝ると鼻づまりが改善する場合があります。
鼻呼吸と口呼吸の仕組みを理解し、気がついたら口が開いてしまう…という選手はぜひ今日から鼻呼吸を心がけてみてください。

鼻呼吸のメリットを理解し、感染症予防に努めましょう!


こちらでも詳しく紹介されています!




■タイトル:「基礎から学ぶスポーツセルフコンディショニング」
■発行元:日本文芸社
■著者:西村典子
■価格:1728円
■頁数:256頁


著者プロフィール

アスレティックトレーナーの西村典子さん
アスレティックトレーナー/西村典子(にしむらのりこ)
日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA-CSCS、 NSCA-CPT。東海大学スポーツ教育センター所属。高校、大学など学生スポーツを中心としたトレーナー活動を行う一方で、スポーツ傷害予防や応急処置、トレーニングやコンディショニングに関する教育啓蒙活動を行う。また一般を対象としたストレッチ講習会、トレーニング指導、小中学生を対象としたスポーツ教室でのウォームアップやクールダウンといったさまざまな年齢層への活動がある。一般雑誌、専門誌、ネットメディアなどでも取材・執筆活動中。
大阪府富田林市出身。奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。


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