ニュース 2018.12.28. 11:53

近江高校|プロ注目捕手、有馬諒の得意科目は数学「野球にも生きる要素が多い」

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カッコよさに惹かれてキャッチャーに

「1年生だけど、有馬はちょっと違うよ」。
今年のセンバツ大会を前にした取材で、多賀章仁監督がこう話していたことを思い出す。実際に取材をしていると丁寧な受け答えに知性を感じたが、当時は16歳とは思えない冷静沈着さも印象的だった。そんな存在感あふれる背番号2は、今や関西圏を代表する強肩捕手として注目され、来秋のドラフト候補として名を連ねている。

体を動かすのが好きで、兄と父と公園にてボールで遊ぶことは当たり前だった幼少時代。小学校に入ると地元のスポーツ少年団に入団。野球を始めた当時のポジションは投手だった。キャッチャーを始めたのは3年生になってから。他の学年の選手がまじった試合では内野を守ったが、3年生の選手のみが出場する「3年生大会」では正捕手だった。当時の指導者から捕手としての資質を評価されていたと後に聞いたが、何より自身がキャッチャーというポジションの魅力にとりつかれていたという。

「まず、カッコよさに惹かれました。防具をつけて、グローブではなく持つのはミット。他のポジションと違って1人だけ違う方向を向いていて。“チームで唯一”という要素が多いのが当時はカッコいいなと思ったんです」。

それ以上に気になるのは、勉強面だ。高校ではアドバンスコースという勉強と部活を両立させる進学コースに属している。小学校当時は学習教室に通っていたが、野球の練習は土日がメイン。
「勉強をガチガチでやる訳ではなかったですが、宿題とか課題はちゃんとやっている方だったと思います」と当時を振り返る。

中学に進むと、頭にちらつくのはやはり高校進学についてだ。だが、中学時代のチームも練習が土日だったため、勉強は平日に塾などで集中して行っていた。勉強は長い時は塾で1日約4時間。成績は決して良い方ではなかったと本人は笑うが、メリハリのある生活をきちんと続けられたことが、今に繋がっている部分が多いのかもしれない。

高校を選ぶ時は、自立したいというよりとにかく家を出たかったという。

「反抗期っていうのもありました(笑)」。
地元は奈良県。県外の高校を中心に考えてはいたが、希望の高校はなかなか決まらなかった。そんな中、オープンキャンパスで練習を見に行ったのが滋賀県の近江だった。バッテリーを中心としたチーム作りをしていると聞き、自分もここでやってみたいと思った。

入学を決めた直後、近江が良いキャッチャーを探していると聞き「もしかしたら早い段階で試合に出られるチャンスがあるかもしれない」と期待が膨らんだ。実際は同級生のライバルや力のある先輩捕手を目の当たりにし周りに圧倒された。それでも入学直後の練習試合で実戦デビューを果たし、1年夏の県大会からのベンチ入りも有力視されていた。しかし、「無理をさせたくない」という多賀監督の意向でメンバーには入れなかった。

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